問4 2011年5月実技生保顧客資産相談業務

問4 問題文と解答・解説

問4 問題文

Mさんはまず,Aさんに対して,《設例》の生命保険の概要および必要保障額について説明した。MさんがAさんに対して説明した以下の文章の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な数値を,下記の〈数値群〉のA〜Iのなかから選び,その記号を解答用紙に記入しなさい。

@)生命保険の見直しを考える際には,Aさんが現時点および将来時点(定年退職時や長男Cさんの独立時)において死亡した場合の必要保障額を計算する必要がある。下記<条件>を参考にすれば,Aさんが現時点で死亡した場合の必要保障額は( 1 )万円である。

A)Aさんが現時点で死亡(不慮の事故以外)した場合,妻Bさんに支払われる死亡保険金額は( 2 )万円である。他方,Aさんが不慮の事故で180日以内に死亡した場合,妻Bさんに支払われる死亡保険金額は***万円である。

B)仮に,Aさんが生まれて初めて悪性新生物(がん)に罹患したと医師によって診断確定され,8日間入院(手術なし)した場合,Aさんに支払われる給付金の合計額は( 3 )万円である。

<条件>
(1) 現在の毎月の日常生活費は30万円であり,Aさん死亡後から長男Cさんが独立するまで(7年間)の生活費は,現在の日常生活費の70%とし,長男Cさん独立後の期間における妻Bさんの生活費は,現在の日常生活費の50%とする。

(2) 長男Cさん独立時の妻Bさんの年齢における平均余命は,35年とする。

(3) 子どもの教育資金および結婚援助資金の総額は,1,000万円とする。

(4) Aさんの死亡整理資金(葬儀費用等)は,500万円とする。

(5) 緊急予備資金は,300万円とする。

(6) 死亡退職金見込額とその他金融資産の合計額は,1,000万円とする。

(7) 妻Bさんが受け取る公的年金等の総額は,5,100万円とする。

(8) Aさん死亡後,妻Bさんが得るパート収入の総額は1,500万円とし,必要保障額の計算に際し,収入金額として考慮するものとする。

(9) 現在加入している《設例》の生命保険の死亡保険金額は考慮しなくてよい。

〈数値群〉
A.304      B.308      C.312      D.1,964     E.2,264     F.3,000
G.3,300    H.3,764     I.4,500

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問4 解答・解説

    定期保険特約付終身保険に関する問題です。
    まず、死亡時の必要保障額の計算式は、 必要保障額=死亡後の総支出−総収入 ですから、収入と支出をそれぞれ計算します。

    <支出の部>
    (1)(2)死亡後の生活費
    ・長男Cさんが独立するまで:現在の生活費30万円×70%×12ヶ月×7年=1,764万円
    ・長男Cさん独立後:現在の生活費30万円×50%×12ヶ月×平均余命35年=6,300万円
    よって、Aさん死亡後の生活費:1,764万円+6,300万円=8,064万円
    (3) 教育資金・結婚援助資金:1,000万円
    (4) 葬儀費用等:500万円
    (5) 緊急予備資金:300万円
    よって、総支出=8,064万円+1,000万円+500万円+300万円=9,864万円

    <収入の部>
    (6) 死亡退職金見込額とその他金融資産の合計額:1,000万円
    (7) 妻Bさんの公的年金総額:5,100万円
    (8) 妻Bさんのパート収入:1,500万円。
    (9) 現在加入している生命保険の死亡保険金額は考慮しない。
    よって、総収入=1,000万円+5,100万円+1,500万円=7,600万円

    従って、必要保障額=総支出9,864万円−総収入7,600万円=2,264万円 です。

    次に、本問の生命保険契約の場合、被保険者のAさんが不慮の事故以外で死亡した場合、妻Bさんには、終身保険から100万円、定期保険特約から2,600万円、特定疾病保障定期保険特約から300万円が支払われます。
    よって、不慮の事故以外での死亡保険金合計額は、
    終身100万円+定期2,600万円+特定疾病300万円=合計3,000万円 です。

    「特定疾病保障定期保険特約」は、脳卒中・ガン・急性心筋梗塞になった際に保険金が支払われますが、死亡・高度障害状態に陥った際は、原因が特定疾病でなくても保険金が支払われる特約です。
    なお、不慮の事故で180日以内に死亡した場合、災害割増特約と傷害特約が上乗せされます。

    よって、不慮の事故による死亡で支払われる死亡保険金合計額は、
    終身100万円+定期2,600万円+特定疾病300万円+災害1,000万円+傷害500万円
    =合計4,500万円 となります。
    ※災害割増特約:不慮の事故による死亡・高度障害が支払対象
    ※傷害特約:不慮の事故による死亡・身体障害が支払対象(障害の程度に応じて給付)

    また、ガンで入院した場合、特定疾病保障定期保険特約・入院特約・成人病入院特約によってそれぞれ保険金が支払われます。
    ※成人病入院特約の給付対象:ガン、脳血管疾患、心臓疾患、高血圧性疾患、糖尿病

    よって、ガンで8日間入院した場合の保険金合計額は、
    特定疾病300万円+(入院0.5万円+成人病1万円)×8日間=合計312万円 となります。

    従って正解は、(1) E.2,264、  (2) F.3,000、  (3) C.312

第2問             問5
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