問1 2011年5月実技生保顧客資産相談業務

問1 問題文と解答・解説

問1 問題文

妻Bさんに支給される公的年金制度からの遺族給付の概要について説明した以下の文章の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な語句または数値を,下記の〈語句群〉のA〜Kのなかから選び,その記号を解答用紙に記入しなさい。

厚生年金保険の被保険者が死亡した場合,一定の要件のもとに遺族に対して国民年金からは遺族基礎年金,厚生年金保険からは遺族厚生年金が支給される。

遺族基礎年金を受けられる遺族の範囲は,死亡した被保険者によって生計を維持されていた「子のある妻」または「子」である。「子」というのは,( 1 )までの間にあるかまたは20歳未満で障害等級1級または2級に該当する障害の状態にあり,かつ,現に婚姻していない子である。なお,長男Cさんの( 1 )が終了し,妻Bさんが有する遺族基礎年金の受給権が消滅したときは,妻Bさんが65歳になるまでの間,妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額に( 2 )が加算される。

遺族厚生年金を受けられる遺族の範囲および順位は,死亡した被保険者によって生計を維持されていた「配偶者または子」,「父母」,「孫」,「祖父母」である。Aさんの遺族の場合,妻Bさんおよび長男Cさんが遺族厚生年金の受給権を取得するが,妻Bさんに遺族厚生年金が支給されている間,長男Cさんに対する遺族厚生年金は支給停止となる。仮に,妻Bさんおよび長男Cさんが遺族厚生年金の受給権を失った場合,実母Dさんに遺族厚生年金の受給権が( 3 )

なお,遺族基礎年金および遺族厚生年金を受けられる遺族の要件に係る生計維持関係の認定基準は,被保険者または被保険者であった者の死亡当時,その者と生計を同じくしていた者であり,原則として,厚生労働大臣が定める金額(年額( 4 )千円)以上の収入を将来にわたって有すると認められる者以外のものとされる。

〈語句群〉
A.3,500    B.5,500    C.8,500        D.18歳到達年度の末日
E.18歳到達日の属する月の末日            F.18歳到達日の前日
G.中高齢寡婦加算額    H.経過的加算額    I.経過的寡婦加算額
J.生じる      K.生じることはない

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問1 解答・解説

    遺族基礎年金・遺族厚生年金に関する問題です。

    まず、遺族基礎年金は、主に、子供や子供のいる妻が支給対象で、支給要件は以下全てを満たすことが必要です。
    ●妻の場合:被保険者(夫)が死亡した当時、生計維持関係にあり、子どもと同一生計
    ●子の場合:被保険者(父・母)が死亡した当時、生計維持関係にあり、18歳未満(18歳到達年度末まで可)、または20歳未満で障害有り。かつ、結婚していない

    なお、夫死亡時に40歳以上65歳未満で、生計同一の子がいない妻の場合、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が加算されます。

    次に、遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者が死亡した場合、その被保険者によって生計を維持されていた配偶者および子、父母、孫、祖父母(←支給順位順)に、支給されます(最高順位の者以外には受給権無し)。
    なお、妻以外の遺族の場合、子・孫は18歳未満(18歳到達年度末まで可)または20歳未満で障害有り、夫・父母・祖父母は55歳以上(支給は60歳から)が支給対象です。

    ただし、遺族厚生年金の受給権者となるかどうかは、被保険者の死亡時点で確定してしまうため、受給権発生後に先順位者が受給権を失った場合、後順位者が受給権を取得するという「転給」制度はありません

    従って、本問の妻Bさんが再婚したり、長男Cさんが18歳になって、遺族厚生年金の受給権を失った場合、実母Dさんは現在75歳ですが、遺族厚生年金の受給権が生じません
    (※なお、妻に支給されている間は、子に対しては「支給停止」されているだけで、権利が消滅しているわけではないため、妻の権利消滅後は子に支給されるわけです。)
    (※遺族共済年金には「転給」制度があるため、先順位者が受給権を失うと、後順位者が受給権を取得することができます。)

    なお、遺族基礎年金・遺族厚生年金は、被保険者の死亡当時に年収850万円以上の人は、生計維持関係と認められないため、支給対象外となります。

    従って正解は、
    (1) D.18歳到達年度の末日、 (2) G.中高齢寡婦加算額、 (3) K.生じることはない、
    (4) C.8,500

第1問             問2
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