問1 2010年9月実技損保顧客資産相談業務

問1 問題文と解答・解説

問1 問題文

Mさんは,現時点(平成22年9月12日)でAさんが死亡した場合に妻Bさんに支給される公的年金制度の遺族給付の概要について説明した。MさんがAさんに対して説明した以下の文章の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な語句または数値を,下記の〈語句群〉のA〜Iのなかから選び,その記号を解答用紙に記入しなさい。また,空欄(2)は下記<資料>を利用し,算出すること。

遺族基礎年金を受けられる遺族は,死亡した被保険者によって生計を維持されていた「子のある妻」または「子」である。「子」というのは,18歳到達年度の末日までの間にあるか20歳未満で障害等級1級または2級に該当する障害の状態にあり,現に婚姻していない子である。

仮に,Aさんが現時点で死亡した場合,妻Bさんに支給される遺族基礎年金の年金額(平成22年度価額(物価スライド特例措置による金額))は,( 1 )円である。

他方,遺族厚生年金を受けられる遺族は,死亡した被保険者によって生計を維持されていた配偶者,子,父母,孫または祖父母であるが,遺族厚生年金の受給権には支給順位が定められており,最高順位の人が受給権を得ることができ,それ以外の遺族には受給権が生じない。

仮に,Aさんが現時点で死亡した場合,妻Bさんに支給される遺族厚生年金の年金額(平成22年度価額(物価スライド特例措置による金額))は,( 2 )円である。
なお,遺族基礎年金の失権後に妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額には,( 3 )が行われる。

<資料>
遺族厚生年金の年金額=(T+U)×1.031×0.985×3/4
 T.平成15年3月以前の期間分
    平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年3月以前の被保険者期間の月数
 U.平成15年4月以後の期間分
    平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以後の被保険者期間の月数

※全加入期間(被保険者期間の月数)が300月に満たない場合は,加入月数を300月とみなし,上記で計算した額に300月を実際の加入月数で除したものを乗じる。
※計算過程の年金額は円未満を四捨五入し,答の年金額の端数処理は,50円未満は切り捨て,50円以上は100円に切り上げること。

〈語句群〉
A.556,700    B.570,000    C.742,300    D.792,100    E.1,020,000
F.1,247,900   G.経過的寡婦加算   H.振替加算   I.中高齢寡婦加算


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問1 解答・解説

    まず、遺族基礎年金は、主に、子供や子供のいる妻が支給対象で、子どもの人数に応じて、支給額が増加します(支給期間は子供が18歳になるまで)。
    子供の数: 支給金額(年間)
    子供1人: 792,100円+227,900円×1=1,020,000円
    子供2人: 792,100円+227,900円×2=1,247,900円
    子供3人: 792,100円+227,900円×2+75,900円=1,323,800円
    子供4人以上 : 1人増えるごとに75,900円追加

    また、支給要件は以下全てを満たすことが必要です。
    ●妻の場合:被保険者(夫)が死亡した当時、生計維持関係にあり、子どもと同一生計
    ●子の場合:被保険者(父・母)が死亡した当時、生計維持関係にあり、18歳未満(18歳到達年度末まで可)、または20歳未満で障害有り。かつ、結婚していない

    よって、Aさんが死亡した場合に、妻Bさんが受け取る遺族基礎年金は、
    792,100円+227,900円=1,020,000円 です。(長女Cさんは20歳のため、支給対象外)

    次に、遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者が死亡した場合、その被保険者によって生計を維持されていた配偶者および子、父母、孫、祖父母(←支給順位順)に、支給されます(最高順位の者以外には受給権無し)。
    支給額は死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3で、被保険者期間が300月未満の場合は300月とみなして計算する最低保障がついています。

    Aさんの被保険者期間は、204月+89月=293月で300月未満のため、被保険者期間を300月とみなして計算(最終的に300/293を乗じる)することになります 。
    遺族厚生年金額=(T+U)×1.031×0.985×3/4×300/293
                      =570003.9円≒570,000円(50 円未満切捨て)
    ※T:320,000円×7.5/1,000×204月=489,600円
    ※U:470,000円×5.769/1,000×89月=241317.27≒241,317円

    また、夫死亡時に40歳以上で子のいない妻や、子があってもその子が遺族基礎年金における加算対象外となったときに40歳以上の妻には、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算594,200円(平成22年度価格)が加算されます。

    従って正解は、(1) E.1,020,000、(2) B.570,000、(3) I.中高齢寡婦加算

    なお、平成23年度は年金額が改定されたため、以下の通りとなります。
    遺族基礎年金:788,900円+子の加算
                     (第1子・第2子各227,000円、第3子以降各75,600円)
    中高齢寡婦加算:591,700円

第1問             問2
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