問8 2024年1月実技生保顧客資産相談業務
問8 問題文
Mさんは、Aさんに対して、〈資料〉の生命保険について説明した。Mさんが説明した次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)「X社が受け取る特定疾病保険金は、Aさんががん等の治療で不在の間、事業を継続させるための資金として活用することができます」
(2)「X社が特定疾病保険金を受け取った場合、法人税法上、当該保険金は非課税所得となりますので、益金に計上する必要はありません」
(3)「保険期間中にX社に緊急の資金需要が発生し、契約者貸付制度を利用する場合、当該制度により借り入れることができる金額は、利用時点での既払込保険料相当額が限度となります」
問8 解答・解説
法人の生命保険の使用使途・経理処理・契約者貸付に関する問題です。
(1)は、○。保険金受取人を法人とする生命保険では、法人が受け取った保険金を借入金返済や買掛金支払といった運転資金等の事業保障資金として活用可能です。
(2)は、×。個人の場合、入院・手術・通院・診断等の「身体の傷害に基因」して支払われる給付金は、非課税です。しかし、法人が保険金や解約返戻金を受け取ったとき、経理処理は以下の計算式によります。
受取保険金−資産計上額=保険差益
※受取保険金…満期保険金・解約返戻金・死亡保険金等
※資産計上額…積立保険料、養老保険・終身保険の保険料等
ここで、保険差益がプラスなら「雑収入」、マイナスなら「雑損失」として計上され、雑収入であれば益金、雑損失であれば損金として課税所得に含まれるわけです。
無配当定期保険とは、保険会社からの配当金支払いがない定期保険のことで、掛捨て型の保険であることから、支払った保険料全額を損金算入することができます。
よって、これまでの資産計上額は0円ですから、受取保険金・解約返戻金=保険差益=雑収入として益金算入となるわけです。
(3)は、×。法人に急な資金需要が発生した場合には、契約者貸付制度により解約返戻金の最大90%まで融資を受けることが可能です。
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