問4 2024年1月実技中小事業主資産相談業務
問4 問題文
Mさんは、Aさんに対して、株式取引の仕組みや債券の特徴について説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。
I 「上場株式の注文方法のうち、( 1 )注文では、高い値段の買い注文が低い値段の買い注文に優先し、原則として、同じ値段の注文については、先に出された注文が後に出された注文に優先して売買が成立します。
また、上場株式を証券取引所の普通取引で売買したときは、約定日(売買成立日)から起算して( 2 )営業日目に受渡しが行われます」
II 「固定利付債の表面利率は一定であるために、一般に、市場金利の変動に伴い債券価格は変動することになります。この債券価格の変動は、表面利率の低い債券ほど( 3 )なり、満期までの期間が( 4 )債券ほど大きくなります」
〈語句群〉
イ.3 ロ.4 ハ.5 ニ.成行 ホ.指値 ヘ.大きく
ト.小さく チ.長い リ.短い
問4 解答・解説
株式取引の注文方法・受渡日と債券の仕組みに関する問題です。
I 同一銘柄の株式に異なる値段で指値注文が出されると、買い注文なら高い価格から、売り注文なら安い価格から優先され(価格優先の法則)、同じ値段で指値注文が出されると、より先に出された注文が優先して取引が成立します(時間優先の法則)。
また、株式取引において約定日から実際の決済日までの期間は、約定日を含めて3営業日です(約定日から2営業日後に決済)
II 債券の価格は、市場金利が上昇すると下落し、市場金利が低下すると上昇しますが、高クーポン(高金利)と低クーポン(低金利)の債券を比較した場合、低クーポン債券の方が、金利の変動に対する価格変動幅は大きくなります。
他の条件が同じなら、その債券価格はクーポンと市場金利の差によって決まります。例えば、クーポン1%と10%の債券では、当然10%の債券の方が価格が高いです。
ここで、1%の市場金利の変動があると、クーポン10%の債券には大した変動ではありませんが、1%の債券にとってはクーポン分と同じ変動のため、大きな値動きになってしまいます。
言い換えれば、低クーポン債券の方が、市場金利の金利変動幅がクーポンに占める割合が高く、価格変動幅も大きいといえます。
また、残存期間が長い債券は、残存期間が短い債券よりも、償還時までに金利変動の影響を受ける期間が長いため、金利変動に対する価格変動幅が大きくなります。
他の条件が同じなら、その債券価格は残存期間の長さ(残存期間中に受け取る利子)と市場金利(同期間中に市場金利で受け取る利子)によって決まります。例えば、残存期間1年と10年の債券では、当然10年の債券の方が価格が高いです。
ここで、1%の市場金利の変動があると、残存期間1年の債券にとっては金利の影響を受けるのは今後1年だけですから、大した変動ではありませんが、10年の債券にとっては今後10年間受け取る利子のオトク度に影響する変動のため、大きな値動きになってしまいます。
言い換えれば、残存期間の長い債券の方が、残存期間中に受け取る利子に対して、同期間中に市場金利で受け取る利子の差が大きく、価格変動幅も大きいといえます。
以上により正解は、(1)ホ.指値 (2)イ.3 (3)ヘ.大きく (4)チ.長い
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