問59 2024年1月学科

問59 問題文と解答・解説

問59 問題文択一問題

非上場企業の事業承継のための自社株移転等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」の適用を受けるためには、特例承継計画を策定し、所定の期限までに都道府県知事に提出して、その確認を受ける必要がある。

2.「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例」と相続時精算課税は、重複して適用を受けることができない。

3.経営者が保有している自社株式を後継者である子に譲渡した場合、当該株式の譲渡による所得に対して、申告分離課税により所得税および住民税が課される。

4.株式の発行会社が、経営者の親族以外の少数株主が保有する自社株式を買い取ることにより、当該会社の株式の分散を防止または抑制することができる。

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問59 解答・解説

非上場会社の事業承継対策に関する問題です。

1.は、適切。非上場株式等についての贈与税の納税猶予・免除を受けるには、会社・後継者(経営承継受贈者)それぞれの適用要件を満たした上で2026年3月31日までに特例承継計画を都道府県知事に提出して確認を受け、経営承継円滑化法に基づく都道府県知事の認定を受けることが必要です。
特例承継計画の提出期限は以前は2024年3月末が提出期限でしたが、2年延長されました。

2.は、不適切。非上場株式の贈与税の納税猶予・免除の特例は、相続時精算課税と併用可能です。これにより、特例適用が取り消された場合に、生前贈与された非上場株式について相続時精算課税を適用することで、納税負担の軽減が可能です。

3.は、適切。個人が非上場株式を他者に譲渡した場合、株式等の譲渡所得として20.315%(復興特別所得税含む)の申告分離課税の対象となります。

4.は、適切。株式の後継者以外への承継は、将来の株式散逸のリスクが高まるため、株式の発行会社が金庫株として買い取ることで、株式の分散を防止・抑制可能です。

よって正解は、2.

問58             問60

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