問33 2023年9月学科

問33 問題文と解答・解説

問33 問題文択一問題

所得税の損益通算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.終身保険の解約返戻金を受け取ったことによる一時所得の金額の計算上生じた損失の金額は、給与所得の金額と損益通算することができる。

2.先物取引に係る雑所得の金額の計算上生じた損失の金額は、上場株式等に係る譲渡所得の金額と損益通算することができる。

3.不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき業務の用に供する土地の取得に要した負債の利子の額に相当する部分の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。

4.業務用車両を売却したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額は、事業所得の金額と損益通算することができる。

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問33 解答・解説

所得税の損益通算に関する問題です。

1.は、不適切。一時所得の損失は、他の所得と損益通算できないため、一時所得が損失(マイナス)となった場合、0円として取り扱います。

2.は、不適切。商品先物取引や外国為替証拠金取引(FX)の利益は、雑所得として所得税・復興特別所得税と住民税を合わせて20.315%の申告分離課税の対象です。このため、損失が出ても不動産所得等の総合課税の所得や申告分離課税でも上場株式の譲渡所得とは損益通算できず、同じ申告分離課税の雑所得となるオプション取引等とのみ損益通算可能です。

3.は、不適切。不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の損失は、他の所得と損益通算可能です。ただし、不動産所得の損失のうち、土地取得に要した負債の利子相当部分は、他の所得と損益通算できません
つまり、借金して土地を購入した場合、その年は収入より支出が上回って不動産所得が損失となっても、借金の利子分は損益通算の対象外ということであり、事業用の土地であっても事業所得とも損益通算できません。

4.は、適切。業務用車両等の事業資産は総合課税の譲渡所得で、損失は他の総合課税の所得との損益通算が可能です。

よって正解は、4.

問32             問34

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