問8 2023年5月実技資産設計提案業務
問8 問題文
柴田さんは、保有しているマンションを賃貸している。2022年分の賃貸マンションに係る収入および支出等が下記<資料>のとおりである場合、2022年分の所得税に係る不動産所得の金額を計算しなさい。なお、<資料>以外の収入および支出等はないものとし、青色申告特別控除は考慮しないこととする。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。
<資料:2022年分の賃貸マンションに係る収入および支出等>
・賃料収入(総収入金額):180万円
・支出
銀行へのローン返済金額:140万円(元金80万円、利息60万円)
管理費等 :15万円
管理業務委託費:9万円
火災保険料 :1万円
固定資産税 :13万円
修繕費 :6万円
・減価償却費 :40万円
※支出等のうち必要経費となるものは、すべて2022年分の所得に係る必要経費に該当するものとする。
問8 解答・解説
不動産所得の計算に関する問題です。
不動産所得=不動産収入−必要経費 ですが、建物の減価償却費や固定資産税も必要経費とすることができます。
所得税法では、業務用の建物や機械等の、時間経過や利用頻度で価値が減少する資産については、減価償却資産として取り扱います。
減価償却とは、建物などの取得価額のうち、毎年一定額または一定割合を経費計上することです。
よって、実際にお金が出ていったわけではありませんが、価値が下がった分だけ必要経費にすることが認められているわけです。
また、アパートやマンションを建築するための借入金の利子は、必要経費になりますが、借入金の元本部分の返済は、必要経費になりません(元本部分は土地や建物といった資産に変わっているだけで、価値は変わらないとされるため)。
さらに、事業運営上支払った火災保険料は、保険期間におけるその年の保険料分だけ、必要経費に算入できます。
従って、本問における不動産所得の計算上、銀行へのローン返済金額の元金80万円以外は、必要経費となります。
不動産所得=180万円−(60万円+15万円+9万円+1万円+13万円+6万円+40万円)
=180万円−144万円
=36万円
以上により正解は、36(万円)
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