問43 2023年1月学科
問43 問題文択一問題
不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
1.売買の目的物である建物が、その売買契約の締結から当該建物の引渡しまでの間に、地震によって全壊した場合、買主は売主に対して建物代金の支払いを拒むことができる。
2.不動産が共有されている場合に、各共有者が、自己が有している持分を第三者に譲渡するときは、他の共有者の同意を得る必要はない。
3.売買契約締結後、買主の責めに帰することができない事由により、当該契約の目的物の引渡債務の全部が履行不能となった場合、買主は履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
4.売主が種類または品質に関して契約の内容に適合しないことを知りながら、売買契約の目的物を買主に引き渡した場合、買主は、その不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければ、契約の解除をすることができない。
問43 解答・解説
不動産の売買契約に関する問題です。
1.は、適切。売買契約後引渡しまでの間に、天災などのやむを得ない原因で不動産が毀損・滅失した場合は、買主は売主に対して建物代金の支払いを拒絶可能です。
以前は売主が危険負担する特約の付与が必要でしたが、民法改正により、2020年4月以降、特約無しで拒絶可能となりました。
2.は、適切。共有物の売却は、各人の持分だけであれば、自由に第三者に売却可能です。なお、共有物全部を売却する場合には、共有者全員の同意が必要です。
3.は、適切。売買契約締結後、物件の引渡し予定日に火事で引渡しができなくなった等の債務の履行不能が生じた場合、相手方は催告せずに契約解除可能です。
4.は、不適切。売主から引き渡された土地や建物等の目的物が、種類・品質について契約内容と異なるときは、買主は、その不適合を知ってから1年以内に売主に通知すれば、権利行使(履行の追完・代金減額・契約解除・損害賠償の請求)可能です。ただし、売主が引渡し時にその不適合を知っていた場合や、重大な過失により知らなかった場合には、1年経過後も権利行使可能です(権利行使できることを知ってからは5年、知らない場合は10年で時効)。
よって正解は、4.
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