問15 2022年9月実技中小事業主資産相談業務

問15 問題文と解答・解説

問15 問題文

「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」(以下、「本制度」という)に関する次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。

(1)2022年中に本制度の適用を受ける場合の非課税限度額は、住宅取得等資金の贈与を受けて新築等をした住宅用家屋が一定の耐震性能、省エネ性能またはバリアフリー性能を有する場合は1,500万円であり、それ以外の住宅用家屋の場合は1,000万円である。

(2)本制度の対象となる住宅用家屋は、その床面積が、贈与を受けた年の年分の所得税に係る受贈者の合計所得金額が1,000万円超2,000万円以下の場合は50u以上240u以下、1,000万円以下の場合は40u以上240u以下のものとされている。

(3)2022年中にAさんから500万円の住宅取得等資金の贈与を受けた長女Dさんが、住宅ローンも利用して3,000万円の住宅を取得し、当該住宅に係る2022年末の借入金残高が1,500万円であった場合に、受贈額500万円について本制度の適用を受けるときは、住宅借入金等特別控除の控除額の計算上の借入金残高は1,000万円が限度となる。

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問15 解答・解説

直系尊属からの住宅取得資金の贈与の非課税に関する問題です。

(1)は、×。直系尊属からの住宅取得資金の贈与の非課税限度額は、2022年4月1日〜2023年12月31日までの贈与・住宅取得の場合、取得する住宅が省エネ等住宅の場合は1,000万円、省エネ等住宅以外の場合は500万円です。

(2)は、○。直系尊属からの住宅取得資金の贈与の非課税を受けるには、贈与年の合計所得金額2,000万円以下であることが必要で、取得する家屋の床面積は50u以上240u以下であることが必要です。ただし、合計所得金額が1,000万円以下である場合に限り、床面積40u以上240u以下の家屋も適用対象です。
※以前は床面積50u以上240uの家屋が適用対象でしたが、2021年4月以降、床面積の下限が引き下げられています。

(3)は、×。直系尊属からの住宅取得資金贈与の非課税特例や、相続時精算課税による住宅取得資金贈与特例は、住宅ローン控除と併用可能です。ただし、住宅取得資金贈与の非課税を受けた部分については、住宅ローン控除の対象外となります。
これは、贈与された資金は全て住宅に充てられるべきものであり、贈与額と借入額が住宅の取得額を超えた部分については、住宅ローン控除の対象とはならないためです。
ただし、住宅ローン控除額の計算上の借入金残高は、「住宅ローン等の年末残高の合計額」と「住宅取得等の対価の額」のいずれか少ないほうとなります。
本問のように3,000万円の物件を500万円の贈与を受けて取得した場合、取得対価額は差額の2,500万円となり、年末の借入金残高1,500万円の方が少ないため、1,500万円全額が住宅ローン控除の対象となります。
仮に、非課税贈与が2,000万円だった場合、取得対価額は差額の1,000万円となり、年末の借入金残高1,500万円の方が多いため、1,000万円が住宅ローン控除の限度となります。

問14             目次

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