問11 2022年5月実技個人資産相談業務
問11 問題文
X社が提案する自己建設方式による賃貸マンション事業に関する次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)「マスターリース契約(特定賃貸借契約)において、賃料が保証されている場合、その契約が定期借家契約でない限り、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律や借地借家法に基づき、AさんがX社から経済事情等により賃料の減額請求を受けることはありません」
(2)「Aさんが甲土地に賃貸マンションを建設した場合、相続税額の計算上、甲土地は貸家建付地として評価されます。仮に、甲土地の自用地価額を1億円、借地権割合を60%、借家権割合を30%、賃貸割合を100%とした場合の相続税評価額は、8,200万円です」
(3)「仮に、Aさんが金融機関から融資を受けて賃貸マンションを建設した場合、相続税の課税価格の計算上、Aさんの相続開始時における当該借入金残高は、債務控除の対象となります」
問11 解答・解説
土地の有効活用方法・宅地の相続税評価額・相続税の債務控除に関する問題です。
(1)は、×。一括賃貸(マスターリース)方式の場合、所有者と管理会社が一括借上げ契約(マスターリース)を締結し、管理会社と入居者が賃貸借契約(サブリース)を締結するため、入居者は管理会社に家賃を支払い、管理会社は所有者に空き室分も含めた一定の保証金を支払うことで、物件の所有者は一定期間の賃料収入を安定的に確保できますが、保証期間満了後に減額請求されることがあるため、不動産収入が当初の想定を下回ることも考えられます。
なお、借地借家法では、借主に不利な特約は、無効とされていますので、「家賃を減額しない」という特約があった場合でも、普通借家契約の場合は減額請求が可能です(定期借家契約の場合は、建物の賃料の増減に関する特約は、借主に有利・不利に関わらず、有効)。
(2)は、○。自分が所有する土地に建築した家屋を、他に貸し付けている場合、建物は貸家、土地は貸家建付地として評価され、自用地評価よりも借地権や借家権の割合分が減額された相続税評価額となります(自分の土地にアパートを建てて賃貸している等)。
貸家建付地の評価額=自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
よって甲土地の評価額=1億円×(1−60%×30%×100%)=8,200万円
(3)は、○。被相続人の借入金や未払いの所得税・固定資産税等、相続開始時に納期限が到来していないものは、債務控除として相続財産から控除できます。
賃貸マンションの敷地は相続税の計算上減額評価されるため、ローンを活用すると、結果的に相続税が軽減されますが、空き室リスクもあることから、ローンの活用は慎重に検討することが必要です。
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