問7 2022年5月実技個人資産相談業務
問7 問題文
Aさんの2021年分の所得税の課税に関する次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)「不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、土地等の取得に係る負債の利子10万円に相当する部分の金額は、他の所得の金額と損益通算することはできません」
(2)「Aさんの場合、公的年金等の収入金額が60万円以下であるため、公的年金等に係る雑所得の金額は算出されません」
(3)「Aさんが所得税の確定申告をするときに、納税地の所轄税務署長に所得税の青色申告承認申請書を提出すれば、2021年分の所得金額から、純損失の繰越控除や青色申告特別控除の適用を受けることができます」
問7 解答・解説
所得税の損益通算・公的年金等の雑所得・青色申告に関する問題です。
(1)は、○。不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の損失は、他の所得と損益通算可能です。ただし、不動産所得の損失のうち、土地取得に要した負債の利子相当部分は、他の所得と損益通算できません。
つまり、借金して土地を購入した場合、その年は収入より支出が上回って不動産所得が損失となっても、借金の利子分は損益通算の対象外ということです(マンションも土地と建物の評価額に分けた上で、建物部分の支払金利のみが損益通算の対象となります)。
(2)は、○。65歳未満で受け取る公的年金は、年60万円までは公的年金等控除により所得ゼロとなるため、公的年金の雑所得は算出されません。
(3)は、×。青色申告承認申請の期限は、青色申告をする年の3月15日までです。よって、Aさんが2021年分の確定申告時に青色申告承認申請書を提出した場合、純損失の繰越控除や青色申告特別控除といった青色申告の特典を受けられるのは、2022年分の確定申告からです。
なお、その年の1月16日以後新たに業務を開始し青色申告を行う場合は、その業務を開始した日から2ヶ月以内に青色申告承認申請書を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。
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