問6 2022年5月実技生保顧客資産相談業務
問6 問題文
最後に、Mさんは、Aさんに対して、Aさんが現在加入している生命保険の見直し等について説明した。Mさんが説明した次の記述(1)〜(4)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)「現在加入している定期保険特約付終身保険の定期保険特約は、65歳の主契約の保険料払込期間満了後も更新することができますが、更新後の保険料は大幅に上昇します。支出可能な保険料の額を踏まえたうえで、無理のない範囲内で見直しを行ってください」
(2)「現在加入している終身保険を残し、その他の特約を減額または解約して、介護保険に新規加入する方法が考えられます。公的介護保険の給付は、主に訪問介護や通所介護(デイサービス)などの現物給付による介護サービスであるため、一定額の介護年金および介護一時金を準備することは検討に値すると思います」
(3)「現在加入している定期保険特約付終身保険を見直す方法として、契約転換制度の活用が考えられます。契約転換時の告知や医師の診査は不要で、健康状態にかかわらず、保障内容を見直すことができます」
(4) 「現在加入している定期保険特約付終身保険を契約転換して、同じ生命保険会社の介護保障に特化した保険に加入した場合、現在加入している終身保険の保障は消滅します。契約転換制度を利用する際は、転換前・転換後契約の保障内容等を比較して、総合的に判断してください」
問6 解答・解説
定期保険特約付終身保険・民間の介護保険・契約転換に関する問題です。
(1)は、×。定期保険には、一定期間ごとに契約を更新する「更新型」と、長期間にわたって保障内容や保険料が変わらない「全期型」があり、更新型の保険は、更新する際は健康状態に関わらず契約を継続できます(ただし保険料は再計算されて高くなる)。
定期保険特約付終身保険(更新型)は、終身部分は死ぬまで保障が変わらず、一定期間定期保険を特約として付ける保険で、定期部分の特約を更新していくことになりますが、更新できるのは主契約である終身保険の保険料払込期間満了までです(全期型も、終身保険の保険料払込満了までが特約の保険期間)。
(2)は、○。介護・療養が必要になった場合、世帯収入の減少や家事・介護負担の外注化による支出増が発生するため、世帯の介護・医療保障を確認することが必要です。公的介護保険や、健康保険等の公的医療保険では、介護サービスや医療サービス等が現物給付されますが、民間の介護保険や医療保険では、一時金や年金等により現金給付されます。
(3)は、×。契約転換とは、現在加入している生命保険の積立部分や積立配当金を「転換(下取り)価格」として、新しい契約の一部にあてる方法ですが、契約転換時には告知や医師の診査が必要なため、健康状態によっては契約転換できない場合もあります。
(4)は、○。契約転換とは、現在加入している生命保険の積立部分や積立配当金を「転換(下取り)価格」として、新しい契約の一部にあてる方法ですので、原則として、転換すると現在の契約は消滅します。
このため、下取り部分が充当される保障内容や、転換前後の保障内容を比較し、総合的に判断することが必要です(保険会社によっては、転換後の主契約・特約に転換価格を充当できる場合もあります)。
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