問9 2022年1月学科
問9 問題文択一問題
中小法人の資金計画等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.貸借対照表における有形固定資産である建物や機械装置は、所定の耐用年数に応じた減価償却が行われる。
2.掛取引とは、商品の受渡し時点ではなく、取引の当事者で取り決めた将来の期日までに代金決済を行う取引である。
3.自己資本比率とは、総資本に対する自己資本の割合を示したものである。
4.固定比率とは、総資産に対する固定資産の割合を示したものである。
問9 解答・解説
企業の決算書に関する問題です。
1.は、適切。貸借対照表における有形固定資産は、土地・建物、機械設備、船舶、車両等で、建物や機械設備、船舶、車両等は期間の経過に応じて価値が減るため、一定の耐用年数に基づき減価償却して費用化されます。なお、土地は、取得してから期間の経過に応じて価値が減るわけではないため、減価償却の対象外です。
2.は、適切。企業間の取引では、発注した商品の納品時ではなく、あらかじめ取り決めた期日までに代金決済を行う掛取引が採用されることが多いです。掛取引は、帳簿上売り手側では売掛金(未回収の商品代金)、買手側では買掛金(未払いの商品代金)として計上されるため、多額の売掛金が発生して業績が良い場合でも、実際の入金は数ヶ月先だったことで資金繰りが行き詰ることがあります。
3.は、適切。自己資本比率(株主資本比率)は、総資産に対する自己資本(株主資本)の割合のことで、自己資本比率が高い方が負債の割合が低く、財務の健全性が高いと判断されます。
4.は、不適切。固定比率=固定資産÷自己資本×100(%)で、設備投資等の固定資産への投資が、自己資本でどの程度賄われているかを判断する指標です(他人資本=借金も含めた総資産に対する割合ではありません)。
固定比率が低い方が、借金をあまりしないで投資できているということですので、望ましい状態といえます(固定比率100%を超えると他人資本に依存)。
よって正解は、4.
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