問14 2021年9月学科
問14 問題文択一問題
生命保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)および保険金・給付金等の受取人は個人であるものとする。
1.契約者および保険金受取人が夫、被保険者が妻である終身保険において、妻が死亡して夫が受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となる。
2.契約者が夫、被保険者および年金受取人が妻である個人年金保険において、妻が受け取る年金の年金受給権は、年金支払開始時に夫から妻への贈与とみなされ、贈与税の課税対象となる。
3.契約者、被保険者および年金受取人が同一人である個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間内に被保険者が死亡し、残りの保証期間について相続人が受け取る年金の年金受給権は、相続税の課税対象となる。
4.契約から5年を超えた一時払変額個人年金保険(10年確定年金)を解約して契約者が受け取った解約返戻金は、一時所得として所得税(総合課税)の課税対象となる。
問14 解答・解説
生命保険の税務に関する問題です。
1.は、不適切。生命保険の契約者(=保険料負担者)と保険金受取人が同じで、被保険者が異なる場合、契約者自身が保険料を負担していた保険から給付金や保険金を受け取るわけですから、支払われる給付金・保険金は一時所得として所得税・住民税の課税対象となります。
2.は、適切。夫が個人年金保険の保険料を支払い、妻が年金を受け取るといったように、年金受取人と契約者(=保険料負担者)が異なる場合、契約者から受取人への贈与(年金受取人は年金支払開始時に年金受給権を取得)とみなされ、年金受給権の評価額が贈与税の課税対象となります。
3.は、適切。保証期間付終身年金は、保証期間中は被保険者の生死に関係なく年金が受け取れ、保証期間経過後は生存している限り、年金を受け取ることができる保険です。年金受取人が死亡すると遺族が年金の受給権を相続しますが、年金受給権のように、ある期間定期的に金銭その他の給付を受ける受給権は、相続税法における「定期金に関する権利の評価」により評価(解約返戻金や一時金、年平均給付額等の相当額)され、相続税の課税対象となり、2年目以降から毎年の年金は公的年金等以外の雑所得として所得税の課税対象となります。
4.は、適切。一時払の養老保険や個人年金保険・変額個人年金などを契約から5年以内に解約(満期による契約満了含む)した場合、金融類似商品として受取差益に20.315%の源泉分離課税となります(復興特別所得税を含む)。本問の場合、契約から解約までに5年超であるため、受け取った解約返戻金は、一時所得の収入として総合課税の対象です。
よって正解は、1.
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