問38 2021年5月実技資産設計提案業務
問38 問題文
隆行さんの従兄である会社員の山田さんの2020年分の所得等が下記<資料>のとおりである場合、山田さんが2020年分の所得税の確定申告をする際に、給与所得と損益通算できる損失に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。
<資料>
1.不動産所得の計算上生じた損失▲30万円と損益通算できる。
2.上場株式の譲渡損失▲120万円と損益通算できる。
3.不動産所得の計算上生じた損失▲30万円および上場株式の譲渡損失▲120万円と損益通算できる。
4.損益通算できる損失はない。
問38 解答・解説
損益通算に関する問題です。
不動産・事業・山林・譲渡所得の損失は、給与所得や一時所得等の他の所得と損益通算できます。
ただし、不動産所得の損失のうち、土地取得に要した負債の利子相当部分は、他の所得と損益通算できません。
つまり、借金して土地を購入した場合、その年は収入より支出が上回って不動産所得が損失となっても、借金の利子分は損益通算の対象外ということです。
よって、本問の場合、不動産所得の必要経費830万円のうち、借金の利子分190万円は損益通算の対象外ですので、残りの640万円が必要経費の対象となります。
よって不動産所得=800万円−640万円=160万円 となり、損益通算できる損失はありません。
また、株式等の譲渡による譲渡所得は分離課税のため、総合課税である給与所得とは損益通算できません。
以上により正解は、4.損益通算できる損失はない。
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