問43 2021年5月学科
問43 問題文択一問題
建物賃貸借において、民法および借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法第38条による定期建物賃貸借契約以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。また、民法と借地借家法の規定の両方の適用を受ける場合には借地借家法が優先し、記載された特約以外のものについては考慮しないものとする。
1.普通借家契約において、賃貸借の存続期間は50年を超えてはならない。
2.普通借家契約において、賃借人は、原則として、その建物の賃借権の登記がなくても、引渡しを受けていれば、その後その建物について物権を取得した者に賃借権を対抗することができる。
3.賃借人は、建物の引渡しを受けた後にこれに生じた損傷であっても、通常の使用および収益によって生じた建物の損耗および経年変化については、賃貸借終了時、原状に復する義務を負わない。
4.普通借家契約において、賃借人が賃貸人の同意を得て建物に設置した造作について、賃貸借終了時、賃借人が賃貸人にその買取りを請求しない旨の特約をすることができる。
問43 解答・解説
定期借家契約・普通借家契約に関する問題です。
1.は、不適切。普通借家契約・定期借家契約のいずれも、存続期間の上限はありません(普通借家契約では、2000年3月1日より前の契約では存続期間の上限は20年までとなっていますが、2000年3月1日以降の契約では制限がなくなりました)。
なお、借地借家法が適用されないレンタカーや駐車場の契約等は、民法上契約期間の上限は50年までとされています。
2.は、適切。賃借権の登記をしていなくても、借主は既に入居していれば、貸主が変わっても、引き続き借主として入居(建物の賃借権を対抗)することができます。
3.は、適切。民法上、経年変化や通常の使用による損耗等の修繕費用は、借主に原状回復義務はなく、家賃に含まれるとされています。
4.は、適切。借主は、貸主の同意を得て、借家に借主自身が付加した畳・エアコンなどを、貸主に買い取ってもらうことを請求できます(造作買取請求権)が、この権利は特約で排除することが可能です。
よって正解は、1.
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