問3 2021年1月実技個人資産相談業務
問3 問題文
Mさんは、Aさんに対して、妻Bさんに係る遺族給付の各種取扱い等について説明した。Mさんが説明した次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
(1)「Aさんの死亡後、妻Bさんが厚生年金保険の被保険者として働くことは可能性として考えられると思います。遺族厚生年金の年金額は、妻Bさんの総報酬月額相当額と基本月額との合計額が47万円(2020年度価額)を超えなければ、全額支給されますので、支給停止となるケースを過度に心配されることはないと思います」
(2)「二女Dさんの18歳到達年度の末日が終了し、妻Bさんの有する遺族基礎年金の受給権が消滅したときは、妻Bさんが65歳に達するまでの間、妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額に中高齢寡婦加算が加算されます」
(3)「妻Bさんが受け取る遺族基礎年金および遺族厚生年金の年金額は、所得税法上、非課税所得となります」
問3 解答・解説
遺族厚生年金の支給要件・中高齢寡婦加算・税務に関する問題です。
(1)は、×。遺族基礎年金や遺族厚生年金を受けるには、加給年金と同様に、配偶者と生計維持関係にあったこと(配偶者の年収850万円以下)が必要ですが、生計維持関係の条件は受給権の判定時のみ使用されるため、受給開始後に厚生年金保険の被保険者として勤務したり、所得が上がっても支給停止されることはありません。
なお、老齢厚生年金は、総報酬月額と基本月額との合計額によって支給停止されることがあります。
(2)は、○。夫死亡時に40歳以上で子のいない妻や、子があってもその子が遺族基礎年金における加算対象外となったときに40歳以上の妻には、65歳になるまで、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が加算されます。
Aさんが44歳で死亡時、妻Bさんは41歳ですが子どもがいて遺族基礎年金の加算対象ですので、中高齢寡婦加算はありませんが、二女Dさんが18歳になった年度末に、遺族基礎年金における加算対象外となった後に加算されます。
(3)は、○。公的年金のうち、老齢年金は雑所得として課税対象ですが、障害・遺族年金は非課税です。
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