問15 2021年1月実技中小事業主資産相談業務
問15 問題文
相続対策等に関する次の記述(1)〜(4)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。なお、本問において、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」を「本特例」という。
(1)Aさんからの贈与により、長女Dさんの子が取得した教育資金について、本特例の適用を受けた場合、受贈者である長女Dさんの子1人につき1,500万円(学校等以外の者に支払われる金銭については500万円)までは贈与税が課されない。
(2)Aさんが、本特例の適用を受けた贈与財産の贈与後3年以内に死亡し、受贈者である長女Dさんの子がその死亡日において23歳未満である場合、死亡日における当該贈与財産から教育資金に充当した金額を控除した残額は、相続財産に加算しない。
(3)Aさんの勇退に伴い、Aさんに役員退職金(税務上損金となるもの)を支払うことは、類似業種比準方式による株価および純資産価額方式による株価の引下げにつながる。
(4)Aさんが、自筆証書遺言を作成し、法務局における自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、Aさんの相続開始後、その相続人は、家庭裁判所において当該遺言に係る検認手続を経る必要がある。
問15 解答・解説
教育資金の非課税特例・非上場株式の引下げ対策・自筆証書遺言に関する問題です。
(1)は、○。教育資金の非課税特例では、直系尊属から教育資金を一括贈与された場合、受贈者ごとに1,500万円まで非課税となります(学校等に直接支払われる入学金や授業料等ついては1,500万円まで、学校等以外の者に支払われる金銭については500万円まで)。
(2)は、○。2019年4月1日以降の贈与では、相続開始前3年以内に贈与された財産は、教育資金の非課税特例の適用対象であっても、残額が相続税の課税価格に加算されます。ただし、相続開始時に23歳未満の受贈者や、在学中・教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講中の受贈者は、生前贈与加算の対象外です。
(3)は、○。役員退職金を支給すると、会社の利益と純資産が減少しますから、評価額の引き下げ効果があります。
(4)は、×。自筆証書遺言や秘密証書遺言は、相続開始後に、家庭裁判所での検認が必要ですが、法務局に保管した自筆証書遺言は、公正証書遺言と同様に検認不要となっています。
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