問15 2020年9月実技資産設計提案業務

問15 問題文と解答・解説

問15 問題文

氷室さんはアパートを事業的規模で賃貸している青色申告者である。下記<資料>に基づき氷室さんが2020年分の確定申告をする際の不動産所得の計算方法に関する次の(ア)〜(ウ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。

<資料>
[2020年中の収入]
家賃収入:7,400,000円(家賃収入総額)
敷金  :160,000円(入居時に預かり、退去時に全額返還)
礼金  :160,000円(入居時に徴収し、返還を要しない)

[2020年中の支出]
アパートローン返済額:2,750,000円
元本部分   :2,050,000円
利息部分   :700,000円
減価償却費  :1,200,000円(アパートの建物に係る減価償却費)
固定資産税  :280,000円(アパートの土地と建物に係るもの)
その他必要経費:600,000円
敷金返還   :160,000円(退去時に返還をしたもの)

(ア)氷室さんは、新規に入居した賃借人より敷金と礼金を受け取ったが、これは家賃ではないため不動産所得の計算上、両方とも収入金額に計上する必要はない。

(イ)アパートローンの返済金額は元本部分と利息部分の両方を必要経費として計上することができる。

(ウ)敷金を返還した場合、預かっていたものを返還しただけなので、必要経費に計上することはできない。

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問15 解答・解説

不動産所得の計算に関する問題です。

(ア)は、×。不動産所得とは、不動産等(不動産の上に存する権利、船舶又は航空機を含む)の貸し付けによる所得です。
よって、賃貸料・礼金・更新料等は、土地や建物などの不動産の貸付けによる所得として、不動産所得の収入に該当しますが、敷金や保証金などのうち、返還する必要がある部分については、不動産所得の収入に該当しません

(イ)は、×。アパートやマンションを建築するための借入金の利子は、必要経費になりますが、借入金の元本部分の返済は、必要経費になりません(元本部分は土地や建物といった資産に変わっているだけで、価値は変わらないとされるため)。

(ウ)は、○。敷金や保証金などを返還した場合、預かっていたものを返還しただけであるため、必要経費に算入することはできません

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