問5 2020年9月実技損保顧客資産相談業務
問5 問題文
次に、Mさんは、Aさんに対して、自動車損害賠償責任保険(以下、「自賠責保険」という)および自動車保険の商品性等について説明した。Mさんが説明した次の記述(1)〜(4)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)「自賠責保険の保険料は、締結する損害保険会社による差異はなく、運転者の年齢と保険期間に応じて定められています」
(2)「自賠責保険は、対人賠償が補償の対象となり、Aさん自身のケガや自動車の車両の損害などは、自賠責保険では補償されませんので、自動車保険を契約するようにしてください」
(3)「初めて自動車を購入し、自動車保険に加入する場合、ノンフリート等級は6等級(S)が適用されます。1年間保険事故がなかった場合、等級は1つ上がり、対人賠償や対物賠償の保険事故があった場合は等級が1つ下がります」
(4)「車両保険は、契約条件により、対象となる事故の範囲が異なります。保険会社により呼称は異なりますが、『車対車+A』や『エコノミー』では、単独事故(ガードレール等に衝突、車庫入れに失敗など)や当て逃げされたことによる損害は補償の対象となりません」
問5 解答・解説
自賠責保険・自動車保険の商品性に関する問題です。
(1)は、×。自賠責保険の保険料は、一部の離島などを除いて、取り扱う保険会社や共済組合、運転者の範囲・年齢、自動車の走行距離に関わらず同一ですが、保険対象とする自動車の車種や保険期間によって異なります。
(2)は、○。自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、対人賠償が補償対象で、対物賠償や運転者自身の損害は補償対象外です。
(3)は、×。自動車保険の等級は1等級から20等級まで分かれており、初回の契約は6等級からスタート(S:前年契約なし)し、等級ダウンとなる事故が無ければ、更新後に1等級アップしますが、事故で保険を使うと、原則として等級は3等級下がるため、対人・対物事故による他者への賠償保険金や、自損事故等による車両保険金の受け取りは、いずれも3等級ダウンの対象です。
※ノンフリート契約:通常の自動車1台ごとに契約する自動車保険。
(4)は、○。車両保険は、盗難または衝突、接触、火災、爆発、台風、洪水などの偶然な事故による契約車両の損害に対して、補償されますが、補償範囲が広い「一般条件」の契約と補償範囲が狭い「車対車+A」「エコノミー」の契約があり、一般条件の車両保険では、電柱等への衝突といった単独事故や当て逃げによる損害も補償されるのに対し、車対車+Aやエコノミーでは車同士や偶然な事故を補償し、単独事故や当て逃げは補償対象外となります(その分保険料は安くなります)。
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