問10 2020年1月学科
問10 問題文択一問題
下記<A社の貸借対照表>に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、A社の平均月商は100百万円であるものとする。
<A社の貸借対照表> (単位:百万円)
1.A社の売上債権回転期間は、3ヵ月である。
2.A社の所要運転資金(経常運転資金)は、100百万円である。
3.A社の当座比率は、120%である。
4.A社の固定長期適合率は、80%である。
問10 解答・解説
企業の決算書に関する問題です。
1.は、適切。売上債権回転期間は、売上発生から代金回収までの期間を示すもので、会社の売上債権(受取手形や売掛金等)の回収が、どの程度効率的に行われているかを表しています。
売上債権回転期間=売上債権÷平均月商
よってA社の売上債権回転期間=(受取手形120+売掛金180)÷平均月商100=3ヶ月
なお、売上債権は売掛債権や営業債権と呼ばれることもありますが、いずれも同じ意味です。
2.は、適切。所要運転資金とは常時必要な運転資金の目安で、銀行融資の審査で用いられます。その会社がどれくらいの運転資金を必要とする事業構造なのかを算出し、所要運転資金の水準を確認するわけです。所要運転資金の計算式は以下の通り。
所要運転資金=売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産−仕入債務(支払手形+買掛金)
※割引手形がある場合は売上債権に加算
A社の所要運転資金の計算過程は以下の通りです。
売上債権=売掛金120+受取手形180=300
棚卸資産=商品100
仕入債務=支払手形140+買掛金160=300
よって、所要運転資金=300+100−300=100百万円 となります。
3.は、不適切。当座比率=当座資産÷流動負債×100(%)で、短期の支払能力を判断する指標として、当座比率が高いほど短期的な支払能力が高く望ましい状態といえます。
当座資産とは現金化の早い資産のことで、その内訳は、 現金・預金、受取手形、売掛金、有価証券等です(現金化しにくい棚卸資産(商品)は含みません。)。
設例では「商品」がありますが、これは当座資産に含まないわけです。
従って、A社の当座比率=(現金及び預金200+受取手形120+売掛金180)/流動負債500×100
=100% となります。
4.は、適切。固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+自己資本)×100(%)で、固定資産に投資した資金が長期資金でどれだけまかなわれているかを示しているため、100%を超えていると、短期資金の一部を固定資産の購入に回していることになり、資金繰りが良くないことを示します。
貸借対照表上では、自己資本= 純資産合計ですから、
A社の固定長期適合率=固定資産400÷(固定負債200+自己資本300)×100
=80%
よって正解は、3.
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