問10 2019年9月学科
問10 問題文択一問題
決算書に基づく経営分析指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.固定比率は、自己資本(株主資本)に対する固定資産の割合を示したものであり、一般に、この数値が高い方が財務の健全性が高いと判断される。
2.損益分岐点売上高は、「固定費÷限界利益率」の算式によって求めることができる。
3.自己資本比率(株主資本比率)は、総資産に対する自己資本(株主資本)の割合を示したものであり、一般に、この数値が高い方が財務の健全性が高いと判断される。
4.当座比率は、その企業の短期の負債に対する当座資産による支払能力を評価するための指標であり、一般に、この数値が高い方が望ましいとされる。
問10 解答・解説
企業の決算書に関する問題です。
1.は、不適切。固定比率=固定資産÷自己資本×100(%)で、設備投資等の固定資産への投資が、自己資本でどの程度賄われているかを判断する指標です。
固定比率が低い方が、借金をあまりしないで投資できているということですので、望ましい状態といえます(固定比率100%を超えると他人資本に依存)。
2.は、適切。損益分岐点売上高とは、売上高−(変動費+固定費)=0円 のときの売上高で、計算式は、損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率です。
なお、限界利益とは売上高から変動費を差し引いた利益のことで、売上増加時に利益増加に結び付く割合を示したものが限界利益率です。
限界利益率=限界利益÷売上高=(売上高−変動費)÷売上高=1−変動費率
3.は、適切。自己資本比率(株主資本比率)は、総資産に対する自己資本(株主資本)の割合のことで、自己資本比率が高い方が負債の割合が低く、財務の健全性が高いと判断されます。
4.は、適切。当座比率=当座資産÷流動負債×100(%)で、短期の支払能力を判断する指標ですので、当座比率が高いほど短期的な支払能力が高く望ましい状態といえます。
よって正解は、1.
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