問7 2019年1月実技中小事業主資産相談業務

問7 問題文と解答・解説

問7 問題文

《設例》の貸借対照表に基づき、X社の経営指標等に関する次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。なお、純資産と自己資本が同額であるものとして計算し、記載のない事項については考慮しないものとする。

(1)X社の所要運転資金の金額は、45,000千円である。

(2)X社の当座比率は約165.6%、流動比率は180.0%であり、一般に、短期の支払能力に対する懸念は少ないと判断することができる。

(3)X社の固定比率は約126.1%、固定長期適合率は約59.8%であり、一般に、長期の支払能力に対する懸念は少ないと判断することができる。

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問7 解答・解説

企業の財務の安全性を示す指標に関する問題です。

(1)は、×。所要運転資金とは常時必要な運転資金の目安で、銀行融資の審査で用いられます。その会社がどれくらいの運転資金を必要とする事業構造なのかを算出し、所要運転資金の水準を確認するわけです。所要運転資金の計算式は以下の通り。
所要運転資金=売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産−仕入債務(支払手形+買掛金)
割引手形がある場合は売上債権に加算
よって、X社の所要運転資金の計算過程は以下の通りです。
売上債権=36,300+9,200=45,500
棚卸資産=53,500
仕入債務=買入債務44,800
よって、所要運転資金=45,500+53,500−44,800=54,200千円 となります。

(2)は、×。当座比率=当座資産÷流動負債×100(%)で、短期の支払能力を判断する指標であり、当座比率が高いほど短期的な支払能力が高く望ましい状態といえます。
当座資産とは現金化の早い資産のことで、その内訳は、 現金・預金、受取手形、売掛金、有価証券等です(現金化しにくい棚卸資産(商品)は含みません。)。
X社の当座資産=流動資産合計146,700−棚卸資産53,500−その他11,700+割引手形9,200
       =90,700千円
X社の当座比率=90,700千円÷81,500千円×100(%)≒111.29%
よって、当座比率が100%を上回っており、短期の支払能力には懸念がない状態です。
また、流動比率=流動資産÷流動負債×100(%)で、流動負債(1年以内に返済すべき負債)に対する流動資産(短期間で換金可能な資産)の割合を示しているため、流動比率が高いほど、その企業の財務の安全性が高いといえます。
X社の流動比率=流動資産146,700÷流動負債81,500×100(%)≒180.0%

(3)は、×。固定比率=固定資産÷自己資本×100(%)で、設備投資等の固定資産への投資が、自己資本でどの程度賄われているかを判断する指標です。
固定比率が低い方が、借金をあまりしないで投資できているということですので、望ましい状態といえます(固定比率100%を超えると他人資本に依存)

このうち、自己資本は純資産から非支配株主持分(少数株主持分、被支配株主持分)と新株予約権を差し引いたものですが、本問では非支配株主持分の記載がないため、単純に貸借対照表の値を当てはめて計算します。
よってX社の固定比率=固定資産合計97,000÷純資産85,300×100
          =113.716…≒113.72%

また、固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+自己資本)×100(%)で、固定資産に投資した資金が長期資金でどれだけまかなわれているかを示しているため、100%を超えていると、短期資金の一部を固定資産の購入に回していることになり、資金繰りが良くないことを示します。
貸借対照表上では、自己資本= 純資産合計ですから、
X社の固定長期適合率=固定資産97,000÷(固定負債76,900+自己資本85,300)×100
          ≒59.80%
従って、長期の支払能力に対する懸念は少ないものの、長期的な投資である固定資産への投資は他人資本にやや依存していると判断できます。

第3問             問8

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