問30 2019年1月学科
問30 問題文択一問題
金融商品の取引に係る各種法令に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、「金融商品の販売等に関する法律」を金融商品販売法といい、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」を犯罪収益移転防止法という。
1.金融商品取引法の適用対象には、金利スワップ取引や天候デリバティブ取引も含まれる。
2.金融商品販売法では、金融商品販売業者等が顧客に金融商品を販売するための勧誘をする際の勧誘方針の策定および公表は義務付けられていない。
3.消費者契約法では、事業者の一定の行為により、消費者が誤認・困惑した場合について、消費者契約の申込み・承諾の意思表示を取り消すことができるとされている。
4.犯罪収益移転防止法では、銀行等の特定事業者が法人顧客と取引を行う場合、原則として、法人の実質的支配者および取引担当者双方の本人特定事項の確認が必要となる。
問30 解答・解説
金融商品販売法・犯罪収益移転防止法に関する問題です。
1.は、適切。金融商品取引法の規制対象は、投資性のある金融商品(債券・株式・投信・デリバティブ等)で、有価証券関連のデリバティブ取引だけでなく、FXや通貨・金利スワップ取引、天候デリバティブなどの幅広いデリバティブ取引が規制対象です。
※通貨・金利スワップ取引:相場変動の回避等に用いられる、金利や元本の交換取引。
※天候デリバティブ取引:気候変動によるリスク回避等のため、あらかじめ所定のプレミアムを払い込むことで、条件に合致した天候状態により決済金を受け取る取引。
2.は、不適切。金融商品販売法により、業者が金融商品の販売に係る勧誘をする際は、勧誘方針を定めることが必要であり、定めた勧誘方針については、HP上での記載やポスターの掲示等、政令で定める方法により、速やかに公表しなければなりません。
3.は、適切。業者によって消費者が誤認・困惑した上での契約は、消費者契約法により、取消可能です。
4.は、適切。犯罪収益移転防止法により、銀行等の金融機関は、預金契約や窓口から現金振込といった特定取引を行う際に、原則として本人確認義務が生じるため、本人特定事項(氏名、住居、生年月日等)・取引を行う目的・職業を確認します。また、代理人が取引する場合は代理人の本人特定事項の確認も必要です。
よって、法人顧客に対しては、50%超の議決権を有する個人等の法人の実質的支配者と、取引担当者双方の本人特定事項の確認が必要となります。
よって正解は、2.
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