問36 2018年1月実技資産設計提案業務

問36 問題文と解答・解説

問36 問題文

慎二さんの勤務先であるRQ社では、現在、50歳代の社員を対象に希望退職者を募集している。仮に慎二さんが希望退職した場合に支給される退職一時金から源泉徴収される所得税の金額として、正しいものはどれか。なお、復興特別所得税は考慮しないものとする。

<資料>
[慎二さんが希望退職した場合の退職一時金等]
・退職一時金の額:4,000万円
・勤続年数   :29年4ヵ月

※慎二さんの退職は、会社都合による退職である。また、慎二さんはこれまでにRQ社の役員であったことはなく、障害者になったことに基因する退職ではない。
※「退職所得の受給に関する申告書」は、適正に提出するものとする。

<所得税の速算表>

(注)課税される所得金額の1,000円未満の端数は切捨て

1. 1,599,000円

2. 2,589,000円

3. 2,704,500円

4. 4,125,000円

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問36 解答・解説

退職所得に関する問題です。

退職所得=(退職収入−退職所得控除)×1/2 で計算されますが、退職所得控除額は、勤続年数が20年以下の期間は1年当たり40万円(最低80万円)、20年を超える期間は1年当たり70万円です。
また、勤続年数が1年に満たない場合は切り上げられますので、29年4ヶ月の慎二さんは、30年とされます。

よって問題文での退職所得の計算式は、
=[4,000万円−{40万円×20年+70万円×(30年−20年)}]×1/2
={4,000万円−(800万円+700万円)}×1/2
=(4,000万円−1,500万円)×1/2
=1,250万円

また、退職所得は分離課税ですので、毎月の給料額に関係なく、退職金額だけで所得税・住民税が計算されます。
さらに、「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合、退職金から納付すべき所得税額が源泉徴収されます。

従って、慎二さんの退職所得から源泉徴収される税額は、以下の通り。
源泉徴収税額=1,250万円×33%−153.6万円=258.9万円

以上により正解は、2. 2,589,000円

※ちなみに、障害者になったことが直接の原因で退職した場合には、退職所得控除額がさらに100万円加算されます。

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