問15 2018年1月実技個人資産相談業務

問15 問題文と解答・解説

問15 問題文

仮に長男Cさんが相続時精算課税制度の適用を受けた後に、Aさんに相続が開始した場合の相続税の総額を計算した下記の表の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。なお、Aさんから贈与を受けた賃貸マンションの建物の贈与時点の相続税評価額は3,000万円で、相続開始時点の相続税評価額は2,900万円である。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。



〈資料〉相続税の速算表(一部抜粋)

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問15 解答・解説

相続税の総額に関する問題です。

相続税の課税価格=相続による取得財産+みなし相続財産−債務控除額 ですが、本問の場合、みなし相続財産や債務控除額の記載はないため、Aさんの財産状況として列記された財産の合計が、相続による取得財産となります。
ただし、相続時精算課税の適用を受けると、贈与された財産は贈与時の価額で、相続税の課税価格に加算されます。長男Cさんは、贈与された賃貸マンションの建物について相続時精算課税の適用を受けていますので、贈与時の評価額3,000万円で相続税が計算されます。
よって、相続税の課税価格=2億4,000万円+6,000万円+3,200万円+2,000万円+1億円+3,000万円
=4億8,200万円

相続税の計算は、課税遺産総額をそれぞれ法定相続分に分割し、分割後の金額に応じた税率で算出します。

相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数です。
また、配偶者は常に法定相続人となり、それ以外の親族は、子・直系尊属・兄弟姉妹の順に、先の順位者がいない場合に、法定相続人となります。

従って、本問における法定相続人は、配偶者である妻B、長男C、二男Dの3人です。
よって、相続税の基礎控除:3,000万円+600万円×3人=4,800万円 です。

課税遺産総額=相続税の課税価格−相続税の基礎控除
      =4億8,200万円−4,800万円=4億3,400万円

妻Bさんの法定相続分は1/2、長男Cさん・二男Dさんの法定相続分は1/4(1/2÷2)です。
妻Bの法定相続分の相続税 :4.34億円×1/2×45%−2,700万円=7,065万円
長男Cの法定相続分の相続税:4.34億円×1/4×40%−1,700万円=2,640万円
二男Dの法定相続分の相続税:4.34億円×1/4×40%−1,700万円=2,640万円

従って、相続税の総額=7,065万円+2,640万円+2,640万円=1億2,345万円 です。

以上により正解は、(1)48,200(万円) (2)4,800(万円) (3)2,640(万円) (4)12,345(万円)

問14             目次

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