問43 2018年1月学科
問43 問題文択一問題
不動産の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.土地の売買に当たって、登記記録の面積を基準とした価額で売買契約を締結し、契約から引渡しまでの間に土地の実測を行い、実測面積と登記記録の面積が相違した場合は、あらかじめ売主・買主間で定めた単価で売買代金を増減する方法がある。
2.民法では、買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が売買代金の一部を支払った後でも、売主は、受領した代金を返還し、かつ、手付金の倍額を償還することにより、契約を解除することができる。
3.民法では、売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主が売主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償の請求をする場合、買主は、その瑕疵がある事実を知った時から1年以内にしなければならない。
4.民法では、建物の売買契約後、引渡しまでの間に売主の責めに帰すことのできない事由により、その建物が滅失した場合には、売主はその建物の売買代金を買主に請求できる。
問43 解答・解説
不動産の売買契約に関する問題です。
1.は、適切。土地の売買時、実際の面積を測量して売買する方法を実測売買(取引)といい、契約時は登記簿の記載をもとに売買し、後日実測した結果との違いを精算することが可能です。
なお、「精算しない」という特約も有効で、公簿売買(取引)といいます。
2.は、不適切。解約手付が交付されると、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は交付した手付金の放棄、売主は手付金の倍額償還により、契約の解除が可能です。
買主は解約手付を交付した後に売買代金として契約金額の一部を既に支払っていますので、契約の履行着手済です。よって売主は手付金の倍額償還での契約解除はできません。
3.は、適切。土地や建物といった売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主がその事実を知らず、家を建ててそこに居住するといった契約の目的を達することができない場合、買主は瑕疵を知ってから1年以内であれば、契約解除できます。また、契約を解除できないときは損害賠償のみを請求できます。
4.は、適切。売買契約後引渡しまでの間に、天災などのやむを得ない原因で建物が滅失した場合は、売主は買主に対して売買代金全額を請求することができます。
ただし、特約を付けて売主が危険負担する(代金を請求しない)ことが取引上の慣例となっています。
よって正解は、2.
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