問57 2017年1月学科
問57 問題文択一問題
Aさんの死亡に伴い、Aさんが契約者(=保険料負担者)および被保険者である生命保険契約に基づき、妻が1,200万円、長女が300万円の死亡保険金を受け取った。法定相続人は、妻および長女の2人で、上記以外に死亡保険金を受け取った者はいない。また、長女は相続の放棄をしている。この場合、妻と長女が受け取った死亡保険金の金額のうち、相続税における生命保険金等の非課税規定(相続税法第12条の「相続税の非課税財産」の規定)の適用を受けた場合の各人の非課税金額として、最も適切なものはどれか。
1.妻1,000万円 長女200万円
2.妻1,000万円 長女は適用なし
3.妻 800万円 長女200万円
4.妻 800万円 長女は適用なし
問57 解答・解説
死亡保険金の相続税に関する問題です。
生命保険の契約者と被保険者が同じで、保険金受取人が異なる場合、支払われる死亡保険金は、みなし相続財産として、相続税の課税対象となります。ただし、受取人が相続人となる場合は「500万円×法定相続人の数」までは非課税ですが、受取人が相続人にならない場合は遺贈として非課税枠はありません。
また、死亡保険金は相続財産ではなく、保険金受取人の固有の財産とされるため、相続を放棄しても死亡保険金は受け取れます。
ただし、税制上は「みなし相続財産」として、死亡保険金の非課税金額の規定は適用されず、全額が相続税の課税対象となります。
よって、長女は相続放棄していますから、死亡保険金の非課税金額の規定は適用されません。
なお、相続を放棄した場合でも、退職手当金や死亡保険金に対する相続税の非課税限度額の計算上、「相続放棄はなかったもの」として扱われます。
よって、本問の場合は、法定相続人は妻と長女となり、非課税枠は1,000万円となります。
さらに、各相続人が受け取った保険金に適用される死亡保険金の非課税限度額は、相続人全員分の保険金の合計額に対する、その相続人が受け取った保険金の割合に応じて按分されます。
本問の場合、長女は相続放棄していますから、相続人として保険金を受け取ったのは妻だけですので、保険金合計は1,200万円。妻はそのうち1,200万円全額を受け取っているため、非課税限度額の100%が適用される(1,200万円/1,200万円)ことになります。
よって妻に適用される非課税限度額=500万円×2人×(1,200万円/1,200万円)=1,000万円
以上により正解は、2.妻1,000万円 長女は適用なし
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