問1 2016年9月実技個人資産相談業務
問1 問題文
Aさんが、60歳でX社を退職し、その後再就職しない場合に、原則として65歳から受給することができる老齢厚生年金の年金額(本来水準の年金額、平成28年度価額)を計算した次の〈計算式〉の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。計算にあたっては、《設例》および下記の〈資料〉を利用すること。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。
〈計算式〉
1.報酬比例部分の額(円未満四捨五入)
□□□円×7.125/1,000×□□□月+□□□円×5.481/1,000×□□□月=( 1 )円
2.経過的加算額(円未満四捨五入)
1,626円×□□□月−780,100円×□□□月/□□□月=( 2 )円
3.基本年金額(上記「1+2」の額)
( 3 )円
4.老齢厚生年金の年金額
加給年金額が加算□□□□□ので、
( 4 )円
〈資料〉
老齢厚生年金の年金額(本来水準の年金額、平成28年度価額)
下記、老齢厚生年金の計算式の T)+U)+V)
老齢厚生年金の計算式
T)報酬比例部分の額=(イ)+(ロ)
(イ):平成15年3月以前の期間分
平均標準報酬月額×(7.125/1,000)×平成15年3月以前の被保険者期間の月数
(ロ):平成15年4月以後の期間分
平均標準報酬額×(5.481/1,000)×平成15年4月以後の被保険者期間の月数
U)経過的加算額=1,626円×被保険者期間の月数−780,100円×{(昭和36年4月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間の月数)/(加入可能年数×12)}
V)加給年金額=390,100円(要件を満たしている場合のみ加算すること)
問1 解答・解説
老齢厚生年金の支給額に関する問題です。
老齢厚生年金額は、まず、報酬比例部分の年金額を求めます。
報酬比例部分=(平均標準報酬月額×乗率×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×乗率×平成15年4月以後の被保険者期間の月数)
問題にあるように、Aさんの平成15年3月までの平均標準報酬月額30万円・被保険者月数276月で、平成15年4月以降の平均標準報酬額40万円・被保険者月数170月です。
=300,000円×7.125/1000×276月+400,000円×5.481/1000×170月
=589,950円+372,708円
=962,658 円
次に経過的加算額は、定額部分の年金額と老齢基礎年金の差額で、以下の計算式となります。
経過的加算額=定額部分−老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
※定額部分=1,626円×被保険者月数
※老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
=満額の基礎年金×(20歳以上60歳未満の被保険者月数(注))/(加入可能年数×12)
(注) 昭和36年4月以後の厚生年金
ここで、Aさんの「20歳以上60歳未満の被保険者月数」は、会社員だった446月です。
さらに、Aさんの加入可能年数は、20歳以上60歳未満の40年ですので、40年×12月=480月 です。
よって、定額部分=1,626円×446月=725,196円
老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額=780,100円×446/(40年×12)
=724842.91…
従って、経過的加算額=725196円−724842.91…円=353.08…
→353円(円未満四捨五入)
よって、老齢厚生年金の基本年金額=報酬比例部分+経過的加算
=962,658 円+353円
=963,011円
最後に配偶者の加給年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上で、65歳未満の配偶者がいる場合には、老齢厚生年金に加給年金が加算されますが、Aさんの厚生年金の被保険者期間は446月(37年2ヶ月)のため加給年金の支給対象です。
よって、Aさんが受け取る老齢厚生年金額は、963,011円+390,100 円=1,353,111 円 です。
以上により正解は、(1)962,658(円) (2)353(円) (3)963,011(円) (4)1,353,111(円)
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