問14 2016年9月実技中小事業主資産相談業務
問14 問題文
X社株式の評価に関する次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)X社の従業員数が100人以上となり、X社株式の相続財産評価上の規模区分が「大会社」となった場合、同族株主が取得するX社株式の価額は、純資産価額によって評価しなければならず、類似業種比準価額による評価を選択することはできない。
(2)類似業種比準価額は、経常的な配当を低く抑えることによって引き下げることができ、経常的な配当に代えて記念配当や特別配当などの非経常的な配当とした場合にも、類似業種比準価額を引き下げる効果が期待できる。
(3)Aさんの勇退にあたり、X社が役員退職金規程に基づきAさんに対して役員退職金を支給した場合、X社の利益金額および純資産価額が引き下がるため、類似業種比準価額を引き下げる効果が期待できる。
問14 解答・解説
非上場株式の相続税評価方式と引下げ対策に関する問題です。
(1)は、×。非上場株式の相続税評価においては、従業員100人以上であれば大会社(類似業種比準方式の斟酌率0.7)、100人未満の場合は、従業員数を加味した総資産基準と取引金額基準のいずれか大きい方で判定します。
大会社は、原則として類似業種比準方式で評価しますが、純資産価額方式も選択可能です。
(2)は、○。類似業種比準方式では、1 株当たりの「配当金額、利益金額、純資産価額」を比準要素として評価額を決定するため、配当・利益・純資産を押し下げると、評価額の引き下げにつながります。
さらに、記念配当や特別配当は、類似業種比準価額の比準要素の計算に含まれないため、配当により会社の純資産が減少しても、比準要素の配当金額は変わりません。よって、記念配当や特別配当の実施・増額は、評価額を引き下げる効果があります。
(3)は、○。役員退職金を支給すると、会社の利益と純資産が減少しますから、評価額の引き下げ効果があります。
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