問40 2016年1月学科

問40 問題文と解答・解説

問40 問題文択一問題

会社と役員間の取引に係る所得税または法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.役員が所有する土地を会社に無償で譲渡した場合、会社は、適正な時価を受贈益として益金の額に算入する。

2.役員が所有する建物を会社に譲渡した場合において、その譲渡対価が適正な時価に満たないときには、役員は必ず時価により譲渡したものとみなされ譲渡所得の計算を行う。

3.会社が所有する社宅に役員が無償で居住している場合、所定の方法により計算した賃貸料に相当する金額が役員の給与所得の収入金額に算入される。

4.役員が会社に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、役員について、原則として課税されない。

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問40 解答・解説

法人と役員間の取引に関する問題です。

1.は、適切。法人は役員から、もっと高いはずの資産をタダで入手したわけです。
このような場合、法人側では時価が取得価額となり、時価と売買価額の差額を受贈益として益金算入します(この場合は売買価額0円のため時価=受贈益)。

2.は、不適切。法人は役員から、もっと高いはずの資産を安く買い入れたわけです。
このような場合、法人側では時価が取得価額となり、時価と売買価額の差額が受贈益として取り扱われます。役員側では、売買価額が時価の2分の1以上の場合、実際の売買価額で譲渡所得が計算されます。(2分の1未満だと、差額がみなし譲渡所得として課税)。

3.は、適切。役員は法人から、本来徴収される賃貸料無しに無償で貸与してもらえたわけです。従って、本来徴収されるはずの通常の賃貸料相当額が、給与所得として課税されます。

4.は、適切。会社は借金をしているのですから、本来一定の利子を支払う必要がありますが、役員が無利子で貸してくれたわけです。このような場合、役員側では本来受け取れる利子額について、課税されません
個人である役員は、必ずしも営利だけを目的に行動するとは限らないため、無利子で自社や他社(例:親戚や友人の会社等)に自分のお金を貸すことがあり得ます。
このため無利子での貸付でも課税はされません

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