問43 2015年1月学科

問43 問題文と解答・解説

問43 問題文択一問題

借地借家法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法第22条の定期借地権を一般定期借地権という。

1.一般定期借地権では、存続期間中に借地人の建物が火災で滅失し、借地人が建物を再築したとしても、存続期間は延長されない。

2.一般定期借地権の設定登記をした場合、存続期間などの登記事項は、登記記録の権利部乙区に記録される。

3.事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、公正証書によって締結しなければならない。

4.借地借家法施行前に締結された借地権設定契約の更新時に、貸主から一般定期借地権設定契約への切替えの申入れがあった場合、借主は、正当の事由がない限り、その申入れを拒絶することはできない。

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問43 解答・解説

定期借地権・普通借地権に関する問題です。

1.は、適切。定期借地権の存続期間中に、建物が火災や地震で滅失した場合でも、借地権は消滅せず借地人は建物を再築可能ですが、一般定期借地権は、契約更新無し・建物再築による存続期間延長無し・満了時の建物買取請求権無しとする特約を付加することが必要ですので、滅失後に再築しても一般定期借地権の存続期間は延長されません。

2.は、適切。所有権に関する事項は、登記記録の権利部甲区に記録され、所有権以外の権利(地上権・抵当権・賃借権等)に関する事項は権利部乙区に記録されます。
借地権とは、「地上権」と「賃借権」をひとまとめにした呼び方のため、借地権の存続期間等は権利部乙区に記録されることになります。

3.は、適切。事業用定期借地権は、契約は書面(公正証書)によって行う必要があるほか、存続期間10年以上50年未満で、利用目的は事業用限定です。

4.は、不適切。借地借家法施行前、つまり旧借地法時に成立した借地権が、借地借家法施行後に更新された場合、更新後の借地権の存続期間は、旧借地法の規定が適用されます。よって、貸主から一般定期借地権への切替の申入れがあったとしても、借主は申入れを拒絶し旧借地権での更新が可能です。
なお、両者が定期借地権への切替を合意しているならば、一旦旧借地権契約を解除して旧借地権を消滅させた上で、新たに定期借地権契約を締結することになります。

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