問7 2014年9月実技中小事業主資産相談業務
問7 問題文
《設例》の貸借対照表および損益計算書から分析した指標等に関する次の記述(1)〜(3)について,適切なものには○印を,不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1) 平成26年3月31日におけるX社の所要運転資金は,17,600千円である。
(2) X社のインタレスト・カバレッジ・レシオは,営業外収益をすべて金融収益,営業外費用をすべて金融費用と考えて計算すると,10.8倍となる。
(3) X社の当座比率は100%を超えており,一般に短期的な支払能力には問題のない水準である。
問7 解答・解説
所要運転資金・インタレストカバレッジレシオ・当座比率に関する問題です。
(1) は、×。所要運転資金とは常時必要な運転資金の目安で、銀行融資の審査で用いられます。その会社がどれくらいの運転資金を必要とする事業構造なのかを算出し、所要運転資金の水準を確認するわけです。所要運転資金の計算式は以下の通り。
所要運転資金=売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産−仕入債務(支払手形+買掛金)
※割引手形がある場合は売上債権に加算
よって、X社の所要運転資金の計算過程は以下の通りです。
売上債権=売掛金36,000+受取手形3,000=39,000
棚卸資産=商品34,000
仕入債務=仕入手形4,000+買掛金52,400=56,400
よって、所要運転資金=39,000+34,000−56,400=16,600千円 となります。
(2) は、○。インタレスト・カバレッジ・レシオとは、借入金に対する企業の利息支払い能力を示す指標で、これが高ければ、安心して融資できるってことで、銀行等の金融機関が融資の際に参考とする指標でもあります。
インタレスト・カバレッジ・レシオ=事業利益÷金融費用
※事業利益=営業利益+営業外利益(受取利息・配当金)
※金融費用=営業外費用(支払利息・割引料)
では、問題文の数値を式に当てはめてみましょう。
事業利益=21,000+600=21,600、金融費用=2,000
よって、]社のインタレスト・カバレッジ・レシオ=21,600÷2,000=10.8倍 です。
(3) は、○。当座比率は短期の支払能力を判断する指標で、当座比率が高いほど短期的な支払能力が高く望ましい状態といえます。
当座比率=当座資産÷流動負債×100(%)
当座資産とは現金化の早い資産のことで、 現金・預金、受取手形、売掛金、有価証券等です。
従って、当座比率が100%超であれば、流動負債(1年以内に返済す べき負債)の返済に対応するだけの当座資産を有しており、短期的な支払能力には問題のない水準といえます。
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