問56 2014年9月学科
問56 問題文択一問題
相続税における税額軽減および税額控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.相続人が被相続人の配偶者のみである場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受ければ、相続により取得した財産額の多寡にかかわらず、原則として配偶者が納付すべき相続税額は0(ゼロ)となる。
2.「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けるためには、相続が開始した日において被相続人との婚姻期間が20年以上でなければならない。
3.相続人が被相続人から相続開始前3年以内に贈与を受け、相続税の課税価格に加算された贈与財産について納付していた贈与税額は、その者の相続税額から控除することができる。
4.未成年者控除額が未成年者の相続税額から控除しきれない場合、その控除しきれない部分の金額は、当該未成年者の扶養義務者で、同一の被相続人から相続または遺贈により財産を取得した者の相続税額から控除することができる。
問56 解答・解説
相続税の配偶者控除等に関する問題です。
1.は、適切。「配偶者に対する相続税額の軽減」の規定(相続税の配偶者控除)の適用を受けた場合、配偶者の法定相続分相当額、または1億6,000万円までは相続税がかかりません 。
よって、相続人が配偶者のみの場合、配偶者の法定相続分は全ての相続財産となるため、相続により取得した財産額に関わらず、相続税額は0円となります。
2.は、不適切。「配偶者に対する相続税額の軽減」は、被相続人の配偶者が財産を取得した場合に、法定相続分相当額、または1億6,000万円までは、相続税がゼロになる特例ですが、婚姻期間による制限はありません。
(婚姻期間が20年以上必要なのは、贈与税の配偶者控除2,000万円)。
3.は、適切。相続開始前3年以内に贈与された財産は、相続税の課税価格に加算されますが、納付済みの贈与税相当額は、相続税額から控除して納税額を算出します。
4.は、適切。未成年者控除とは、相続人が未成年者のとき、相続税額から一定金額を差し引くことですが、控除しきれない部分については、その扶養義務者の相続税額から差し引きます。
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