問60 2014年1月学科
問60 問題文択一問題
非上場企業のオーナー経営者(以下「経営者」という)の退職金等を活用した相続対策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問における「会社」とは、経営者が主宰していた会社のことをいう。
1.契約者(=保険料負担者)および保険金受取人を会社、被保険者を経営者とする生命保険に加入することにより、会社はその死亡保険金を役員死亡退職金の原資やその会社の株式を買い取るための資金として活用することができる。
2.勇退した経営者に対する役員退職慰労金の支給は、会社の利益の減少または純資産の減少を通じて、その会社の株式の類似業種比準方式や純資産価額方式による評価額を引き下げる効果が期待できる。
3.経営者の死亡により、その経営者の相続人が会社から支給を受けた弔慰金については、経営者の死亡の原因が業務上であるかどうかを問わず、その経営者の死亡時における普通給与の3年分に相当する金額までが、相続税において非課税とされる。
4.会社は、役員死亡退職金や弔慰金について、それぞれの金額の計算根拠等を定めた役員退職金規程や弔慰金規程を作成しておくことが望ましい。
問60 解答・解説
非上場会社における相続税の納税資金対策に関する問題です。
1.は、適切。会社が契約者として保険料を負担し、オーナー経営者を被保険者とし、会社を死亡保険金受取人とする生命保険に加入すると、保険料の一定部分を損金処理しながら、役員の死亡退職金の原資や相続人から自社株式を買い取る資金を用意できます。
相続人は、株式の売却代金を相続税の支払いにあてることができるわけです。
2.は、適切。役員退職金を支給すると、株式の評価額の計算要素となる利益と純資産の価額が下がるため、株式の相続税評価額を引き下げることができます。
3.は、不適切。相続人が被相続人が役員を務める勤務先から受け取る弔慰金は、死亡理由により一定限度額まで相続税がかかりません。
●業務上の事由による死亡 : 被相続人の死亡時の役員報酬月額の3年分まで
●業務上以外の事由による死亡: 被相続人の死亡時の役員報酬月額の半年分まで
この非課税枠を超える分の弔慰金は、役員死亡退職金として相続税の課税価格に算入されます。
4.は、適切。会社が支払う役員退職金や弔慰金は、適正な額であれば、損金算入できますが、一定の算定方式による算出額を超えた過大な部分については損金算入できません。
従って、万一の事態にも適正な会計処理が行われるように、あらかじめ金額の計算根拠等を役員退職金規程や弔慰金規程として定めておくことが必要です。
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