問60 2013年5月学科

問60 問題文と解答・解説

問60 問題文択一問題

非上場企業のオーナー経営者(以下「経営者」という)の退職金等を活用した相続対策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人を会社、被保険者を経営者とする逓増定期保険に加入することにより、経営者の死亡退職金や勇退時の退職慰労金の原資を準備することができる。

2.経営者への役員退職金の支給は、会社の利益の減少または純資産の減少を通じて、その会社の株式の類似業種比準方式や純資産価額方式による評価額を引き下げる効果が期待できる。

3.経営者の業務外死亡による弔慰金として遺族が受け取った「経営者死亡時の報酬月額×6ヵ月分」相当額までの金額は、実質的に退職金に該当すると認められるものを除き、相続税の課税対象とならない。

4.経営者の死亡により遺族へ支払う死亡退職金は、死亡後5年目に支給額が確定した場合、退職手当金等に係る相続税の非課税の規定の適用を受けることができる。

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問60 解答・解説

非上場会社における相続税の納税資金対策に関する問題です。

1.は、適切。逓増定期保険は、保険期間の経過とともに死亡保険金額が逓増しますが、支払保険料は一定です。
このため、企業が役員に逓増定期保険をかけることで、保険料の一部を損金計上しながら、役員の死亡・引退時の退職金を準備することができます。

2.は、適切。役員退職金を支給すると、会社の利益や純資産が減少しますから、自社株式の評価額を引き下げる効果が期待できます(利益が多い=類似業種比準方式の評価額大、資産が多い=純資産価額方式の評価額大)。

3.は、適切。相続人が、被相続人が役員を務める勤務先から受け取る弔慰金は、死亡理由により一定限度額まで相続税がかかりません
業務上の事由による死亡  : 被相続人の死亡時の役員報酬月額の3年分まで
業務上以外の事由による死亡: 被相続人の死亡時の役員報酬月額の半年分まで
この非課税枠を超える分の弔慰金は、役員死亡退職金として相続税の課税価格に算入されます。

4.は、不適切。死亡後3年以内に支払が確定した退職手当金等を遺族が受け取る場合、相続財産として相続税の対象となり、「500万円×法定相続人の数」まで非課税です。
本問では、死亡後5年目に支給額が確定していますので、非課税枠はありません。

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