問7 2012年1月実技中小事業主資産相談業務

問7 問題文と解答・解説

問7 問題文

X社の当座比率と流動比率に関する次の文章の空欄(1)〜(3)に入る最も適切な語句または数値を,下記の語句群のア〜ウのなかから選び,その記号を解答用紙に記入しなさい。なお,同じ語句を複数回使用してもかまわないものとする。

X社が販売用不動産を122,400千円で売却し,その金額を現金・預金とした場合,X社の当座比率は高くなり,流動比率は( 1 )。また,仮に,X社が販売用不動産を122,400千円で売却し,固定負債を全額返済したうえで残額を現金・預金とした場合,X社の当座比率は,( 2 )が,流動比率は( 3 )

〈語句群〉
ア.高くなる     イ.低くなる     ウ.変化しない

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問7 解答・解説

当座比率・流動比率に関する問題です。

当座比率=当座資産÷流動負債×100(%)で、短期の支払能力を判断する指標で、当座比率が高いほど短期的な支払能力が高く望ましい状態といえます。
当座資産とは現金化の早い資産のことで、 現金・預金、受取手形、売掛金、有価証券等です。

それに対し、流動比率=流動資産÷流動負債×100(%)で、流動負債(1年以内に返済すべき負債)に対する流動資産(短期間で換金可能な資産)の割合を示しているため、流動比率が高いほど、その企業の財務の安全性が高いといえます。
流動資産には当座資産に加えて、製品・原材料・仕掛品等の棚卸資産、前渡金・前払金・短期貸付金等のその他流動資産があります。

不動産会社が販売用不動産を売却し、代金を現金・預金とした場合、当座資産が増えるため当座比率は高くなりますが、増えた当座資産と同額の棚卸資産が減ってしまうため、流動資産全体としては変化しません。
従って、流動比率も変化しません。
(不動産会社の販売用不動産=在庫=棚卸資産)

また、販売用不動産を売却し、固定負債を全額返済したうえで残額を現金・預金とすると、残額分の当座資産が増えるため当座比率は高くなります。
しかし、販売用不動産を売却したことで棚卸資産が減った上に、増えた当座資産は返済後の残額分だけですから、流動資産全体としては少なくなってしまうため、流動比率は低くなります。

従って正解は、(1) 変化なし、(2) 高くなる、(3) 低くなる

第3問             問8
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