問3 2011年1月実技個人資産相談業務

問3 問題文と解答・解説

問3 問題文

Aさんが65歳から受給できる公的年金制度からの老齢給付の概算見込額について,ファイナンシャル・プランナーが試算した以下の計算式の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な数値を,解答用紙に記入しなさい。年金額の計算にあたっては,平成22年度価額で計算すること。

なお,計算過程における端数処理は円未満を四捨五入し,年金額の端数処理は,50円未満は切り捨て,50円以上100円未満は100円に切り上げること。


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問3 解答・解説

    老齢基礎年金・老齢厚生年金の支給額に関する問題です。
    老齢基礎年金額の計算式は、数字が年度によって変わるため、以下のように説明します。
    老齢基礎年金=満額の基礎年金×(納付済月数+免除分調整月数)/(加入可能年数×12)

    まず、平成22年度の満額の基礎年金額は、792,100円
    次に、保険料納付済月数ですが、Aさんは1979年4月から1987年8月までは厚生年金に加入し、その後国民年金加入です。
    老齢基礎年金の支給額にカウントされるのは、20歳以上60歳未満の加入期間ですから、厚生年金加入期間のうち、18歳〜19歳までの期間は除外します(18歳8月、19歳12月)。
    被保険者期間期間:加入月数100月−20歳未満期間20月=80月
    ※この除外された分が「経過的加算」として老齢厚生年金に加算されます。

    また、Aさんの被保険者期間には平成3年(1991年)4月から24月分の免除期間があります。
    国民年金加入期間:加入月数281月−免除期間24月+納付予定119月=376月
    よって、保険料納付済月数=80月+376月=456月

    次に免除期間は、全額免除や半額免除等、免除分に応じて免除月数に一定数を乗じて、調整計算します。
    問題文の中で、全額免除月数×1/3とありますので、免除分調整月数:24月×1/3=8月

    またAさんは昭和16年4月2日以降生まれですので、「加入可能年数」は40年です。
    (昭和16年4月1日以前生まれの場合、加入可能年数は40年を下回ります。)
    以上により、
    Aさんの老齢基礎年金=792,100円×(456月+8月)/(40年×12)
                  =765696.61≒765,700円
                                  (50円未満を切捨て、50円以上100円未満は100円に切上げ)

    次に老齢厚生年金額ですが、まず、報酬比例部分の年金額を求めます。
    報酬比例部分=平均標準報酬月額×7.5/1000×被保険者月数×1.031×0.985
    (※加入期間が2003(平成15)年3月までの場合)

    Aさんの平均標準報酬月額は26万円で、厚生年金の被保険者月数は100月です。
    =平均標準報酬月額260,000円×7.5/1000×被保険者月数100月×1.031×0.985
    =195,000×1.031×0.985
    =198029.32≒198,029円(円未満四捨五入)

    次に経過的加算額は、以下の計算式となります。
    経過的加算額=定額部分−老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
    ※定額部分=1,676円×被保険者月数×0.985
    ※老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額
       =満額の基礎年金×(20歳以上60歳未満の被保険者月数(注))/(加入可能年数×12)
          (注) 昭和36年4月以後の厚生年金

    よって、定額部分=1,676円×被保険者月数100月×0.985=165,086円
    老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額=792,100円×(100月−20月)/(40年×12)
                         =132016.66≒132,017円(円未満四捨五入)
    ※Aさんの20歳未満の厚生年金被保険者月数は20月ですので、
       20歳以上60歳未満の分=加入期間全体100月−20月 となります。

    従って、経過的加算額=165,086円−132,017円=33,069円

    よって、
    老齢厚生年金の支給額=報酬比例部分+経過的加算額=198,029円+33,069円
                                       =231,098円≒231,100円
                                          (50円未満を切捨て、50円以上100円未満は100円に切上げ)

    よって、老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額は、
    765,700円+231,100円=996,800円

    以上により正解は、(1) 765,700円  (2) 198,029円  (3) 33,069円  (4) 996,800円

問2             第2問
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