問39 2010年9月実技(資産設計)

問39 問題文と解答・解説

問39 問題文

    文雄さんの会社には、60歳定年後の再雇用制度が導入されており、給与は大幅に減少するものの、定年後も会社に残ることができる。文雄さんは、60歳以後も会社に残った場合、60歳台前半の老齢厚生年金が受給できるのかどうか、FPの山下さんに尋ねた。山下さんが以下の<資料>に基づいて計算した在職老齢年金の支給額(月額)として、正しいものはどれか。なお、文雄さんの60歳以降の標準報酬月額は260,000円で、年金月額(基本月額)は90,000円とする。また、賞与については考慮しないものとする。

    <資料:60歳台前半の在職老齢年金の支給停止額>
    ・ 総報酬月額相当額+基本月額が28万円以下の場合
     総報酬月額相当額および基本月額にかかわらず、支給停止されない。
    ・ 総報酬月額相当額+基本月額が28万円を超える場合
     

    1.      0円
    2. 35,000円
    3. 55,000円
    4. 90,000円

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問39 解答・解説

在職老齢年金に関する問題です。

年金支給開始年齢に到達した後も、厚生年金の被保険者として勤務する場合には、60歳台前半の「在職老齢年金」の仕組みが適用されます。
これにより、賃金(賞与を含む)の額に応じて、年金の一部または全部が支給停止となる場合があり、支給停止となる基準額は、基本月額(月額換算の年金)と総報酬月額相当額(月額換算の賃金)により決定されます。

文雄さんの60歳以降の標準報酬月額は26万円で、年金月額(基本月額)は9万円ですから、「総報酬月額相当額+基本月額」は35万円となり、28万円を超えるため、年金の一部が支給停止となります。
※総報酬月額相当額=標準報酬月額+賞与/12

資料のうち、文雄さんに適用される支給停止額は、「基本月額28万円以下、総報酬月額相当額47万円以下」ですので、「(総報酬月額相当額+基本月額−28万円)×1/2」です。

従って、支給停止額=(26万円+9万円−28万円)×1/2=3.5万円
よって文雄さんの在職老齢年金の支給額(月額)は、
9万円−3.5万円=5.5万円 

従って正解は、3. 55,000円

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