問10 2010年9月実技生保顧客資産相談業務
問10 問題文
Aさんに係る平成22年分の所得税額の計算および所得税の確定申告に関する次の記述(1)〜(3)について,適切なものには○印を,不適切なものには×印を解答欄に記入しなさい。
(1)
Aさんは長女Cさんについて扶養控除の適用を受けることができるが,平成22年分以後の所得税において,16歳以上19歳未満の特定扶養親族に係る扶養控除の上乗せ部分の額(250千円)は廃止されている。
(2)
Aさんが平成22年中に受け取った一時払変額個人年金保険の解約返戻金および一時払養老保険の満期保険金は,いずれも一時所得の収入金額として総合課税の対象となる。
(3)
会社員であるAさんは,年末調整によって所得税の課税関係が終了するため,平成22年分の所得税の確定申告をする必要はない。
問10 解答・解説
所得税額の計算と確定申告に関する問題です。
(1)
は、×。平成22年分までは、16歳以上23歳未満が対象となる特定扶養控除63万円(扶養控除38万円に25万円上乗せ)の適用を受けることができましたが、平成23年分以後は、16歳以上19歳未満の特定扶養控除は廃止され、19歳以上23歳未満が特定扶養控除の対象となりました。
(2)
は、○。一時払の養老保険や個人年金保険・変額個人年金などを契約から5年以内に解約した場合、金融類似商品として受取差益に20%の源泉分離課税となります。
しかし、Aさんが一時払変額個人年金を契約したのは平成15年で、7年後の平成22年に解約していますから、解約で得た保険差益は一時所得の収入金額として総合課税となるわけです。
また、一時払養老保険の満期保険金も一時所得の収入金額として総合課税の対象です。
(3)
は、×。給与を1ヶ所から受けていて、給与所得や退職所得を除いた各種所得の合計が20万円を超える場合は、給与所得者でも確定申告する必要があります。
会社員のAさんには保険金の一時所得がありますので、一時所得額の計算は以下の通り。
一時所得=収入額−収入を得るために支出した額−特別控除50万円 ですので、まずは一時払変額個人年金と一時払養老保険の差損益を計算します。
一時払変額個人年金の差損益:解約返戻金450万円−保険料300万円=150万円
一時払養老保険の差損益 :満期保険金550万円−保険料500万円=
50万円
よって一時所得=150万円+50万円−特別控除50万円=150万円
さらに、給与所得や退職所得以外の所得が一時所得のみの場合、総所得金額を計算する時と同様に、その2分の1の額が20万円を超えているかで判断します。
よって、一時所得150万円÷2=75万円>20万円 となるため、確定申告が必要です。
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