問9 2010年9月実技生保顧客資産相談業務
問9 問題文
X社は,長男Bさんが死亡した場合の事業承継対策や退職金準備等を目的として,以下の生命保険に加入している。当該生命保険の経理処理(仕訳)について,下記<条件>を基に,空欄(1)〜(4)に入る最も適切な語句または数値を,下記の〈語句群〉のA〜Kのなかから選び,その記号を解答用紙に記入しなさい。
保険の種類
:
5年ごと利差配当付定期保険(特約付加なし)
契約年月日 :
平成22年2月1日
契約者・死亡保険金受取人:
X社
被保険者
: 長男Bさん
保険期間・保険料払込期間:
98歳満了
死亡保険金額
:
100,000千円
年払保険料 :
1,800千円
70歳時の解約返戻金額 :
54,000千円
<条件>
・長男Bさんが60歳時の積立配当金は100千円,既払込保険料総額は46,800千円とする。
・上記以外の条件は考慮しないものとする。
<保険料払込時の経理処理(仕訳)>
<仮に長男Bさんが60歳時に死亡した場合の経理処理(仕訳)>
〈語句群〉
A.23,400 B.46,800 C.53,200
D.54,000 E.76,600
F.解約返戻金 G.前払保険料 H.死亡保険金
I.雑損失
J.支払保険料 K.雑収入
問9 解答・解説
本問の生命保険契約は、「5年ごと利差配当付定期保険」ということですので、5年ごとに死差益(予定よりも死亡者が少なく保険金支払いが少なかった)や、費差益(予定よりも経費がかからなかった)分を配当として契約者に還元してくれる保険です。
通常FPのテキストや問題集などには、このような利差配当付定期保険の経理処理方法は記載がありませんが、本問の契約は、長期平準定期保険に該当します。
長期平準定期保険とは、保険期間満了時に70歳を超え、かつ加入時の年齢に保険期間の2倍の数を加えると105を超える定期保険のこと。
本問の契約は、期間満了時98歳で、加入時年齢35歳+保険期間63年×2>105 となりますので、長期平準定期保険となるわけです。
長期平準定期保険では、前半6割期間での保険料支払い時は、保険料の2分の1を定期保険料として損金計上し、2分の1を前払保険料として資産計上ですが、被保険者が死亡した場合、受け取った死亡保険金と資産計上している前払保険料との差額は、雑収入(または雑損失)として計上します。
問題文では60歳までの払込済保険料4,680万円ですから、資産計上額は半額の2,340万円。
よって資産計上額2,340万円<死亡保険金1億円ですので、差額7,660万円は雑収入として益金計上します。
従って正解は、(1)
G.前払保険料、 (2) K.雑収入、 (3) A.23,400、 (4) E.76,600
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