2級FP過去問解説　問20　2024年1月学科

損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

１．生活用品を製造する事業者が、製造した製品の欠陥が原因で顧客がケガをして、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えて、生産物賠償責任保険（ＰＬ保険）を契約した。

２．建設業を営む事業者が、建設中の建物が火災により損害を被る場合に備えて、建設工事保険を契約した。

３．清掃業務を請け負っている事業者が、清掃業務中の事故により従業員がケガをして、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えて、請負業者賠償責任保険を契約した。

４．ボウリング場を運営する事業者が、設備の管理不備に起因する事故により顧客がケガをして、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えて、施設所有（管理）者賠償責任保険を契約した。

損害保険による事業活動のリスク管理に関する問題です。

１．は、適切。生産物賠償責任保険（PL保険）は、企業等が製造・販売した商品などによる事故で、他者への損害賠償責任が発生した場合、被害者の治療費や慰謝料といった企業側の損害額を補償する保険です。
よって、製造した生活用品を使用した顧客がケガをした等の事故発生への備えとして、適切です。

２．は、適切。建設工事保険は、火災や作業ミス等の事故で、建設工事中の建物に生じる損害を補償します。

３．は、不適切。請負業者賠償責任保険は、請負業務の遂行中や、請負業務を行うために所有・使用・管理する施設に起因する対人・対物事故について、請負業者の損害賠償責任を補償する保険ですので、業務中の従業員のケガといった労働災害への備えとしては、労働災害総合保険が適切です。

４．は、適切。施設所有（管理）者賠償責任保険は、施設の安全性の維持・管理の不備や、施設の用法に伴う業務遂行に起因する対人・対物事故について、施設所有（管理）者の損害賠償責任を補償する保険ですので、ボウリング場の運営事業者における、遊戯施設の管理不備による事故の損害賠償への備えとして、適切です。

よって正解は、３．

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