問2 2023年1月実技個人資産相談業務
問2 問題文
Mさんは、Aさんに対して、公的年金制度等の各種取扱いについて説明した。Mさんが説明した次の記述(1)〜(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。
(1)「Aさんが希望すれば、66歳以後、老齢基礎年金および老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をすることができます。仮に、Aさんが75歳で老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合、当該年金額の増額率は84%となります」
(2)「Aさんは、確定拠出年金の個人型年金に加入することができます。ただし、確定拠出年金の個人型年金に加入した場合、小規模企業共済制度に加入することができなくなりますのでご注意ください」
(3)「2022年4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。長女Cさんは、原則として、18歳に達した日に国民年金の被保険者資格を取得することになります」
問2 解答・解説
年金の繰下げ・確定拠出年金・国民年金に関する問題です。
(1)は、○。支給繰下げをした場合、年金は1カ月当たり0.7%増額されます。
65歳からの年金を、10年(120月)繰下げて75歳から受給することで、増額率は最大84%となります。
繰下げによる増額率=10年×12月×0.7%=84%
以前は、繰り下げる上限年齢は70歳で増額率は最大42%でしたが、2022年4月以降は上限年齢が75歳となり、増額率は最大84.0%まで引き上げられています。
(2)は、×。農業者年金の被保険者や、自営業者等の国民年金の第1号被保険者で、国民年金保険料の未納者・免除者(全額・一部)または猶予者は、確定拠出年金の個人型の加入対象外とされていますが、過去に未納や免除期間があっても、確定拠出年金の加入手続き時点で納付していれば加入可能です。よって、Aさんには学生納付特例による猶予期間がありますが、現時点では第1号被保険者として保険料を納付済みですので、確定拠出年金の個人型に加入可能です。
また、国民年金基金と付加年金は同時加入出来ませんが、確定拠出年金の個人型は国民年金基金や小規模企業共済と同時加入可能です。
(3)は、×。2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられましたが、国民年金の加入年齢に変更は無く、これまで通り20歳の到達月から国民年金の第1号被保険者として加入することになります。
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