問19 2023年1月学科
問19 問題文択一問題
法人が所有する建物等を対象とした火災保険から受け取る保険金と圧縮記帳に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、契約している火災保険の契約者(=保険料負担者)および保険金受取人は法人であるものとする。
1.工場建物および建物内に収容されている機械が全焼し、同一事業年度中に受け取った火災保険金で、焼失前と同様の工場建物および同一の機械を新たに取得した場合、当該工場建物・機械ともに圧縮記帳の対象となる。
2.工場建物が全焼し、同一事業年度中に受け取った火災保険金で、その滅失した工場建物と同一種類に区分される倉庫建物を新築した場合、当該倉庫建物は圧縮記帳の対象とならない。
3.工場建物が全焼し、同一事業年度中に受け取った火災保険金で、当該工場建物が滅失等をしたときにおいて現に建設中であった他の工場建物を完成させた場合、完成後の工場建物は圧縮記帳の対象となる。
4.保険金で取得した代替資産の圧縮限度額を算出する際、「所有固定資産の滅失または損壊により支出する経費」には、ケガ人に対する見舞金を含めることができる。
問19 解答・解説
法人の損害保険の経理処理に関する問題です。
1.は、適切。圧縮記帳の対象は、固定資産の滅失・損壊に対して保険金を受け取り、同一事業年度内に代替資産を取得した場合です。
圧縮記帳することで、受け取った保険金への課税を将来に繰り延べることができます。
2.は、不適切。圧縮記帳が認められる資産は、滅失または損壊した所有固定資産と同一種類に区分される固定資産です。
同一種類かどうかは、減価償却資産の耐用年数表の区分で判断されます。
3.は、不適切。圧縮記帳の対象は、固定資産の滅失・損壊に対して保険金を受け取り、代替資産を取得した場合ですので、滅失時点で既に建設中や製造中の資産は代替資産に該当せず、圧縮記帳の対象外です。
4.は、不適切。代替資産の圧縮限度額を算出する際に、「滅失または損壊により支出する経費の額」を受け取った保険金額から差し引きます。この経費は取り壊し費用や消火費用、焼け跡の整理費用といった滅失等に直接関連する経費ですので、類焼者への賠償金・見舞金・弔慰金等の直接関連しない費用は含みません。
よって正解は、1.
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