問10 2022年5月学科

問10 問題文と解答・解説

問10 問題文択一問題

決算書に基づく経営分析指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.損益分岐点比率は、実際の売上高に対する損益分岐点売上高の割合を示したものであり、一般に、この数値が低い方が企業の収益性が高いと判断される。

2.自己資本比率は、総資本に対する自己資本の割合を示したものであり、一般に、この数値が低い方が財務の健全性が高いと判断される。

3.固定長期適合率は、自己資本に対する固定資産の割合を示したものであり、一般に、この数値が低い方が財務の健全性が高いと判断される。

4.ROEは、自己資本に対する当期純利益の割合を示したものであり、一般に、この数値が低い方が経営の効率性が高いと判断される。

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問10 解答・解説

企業の決算書に関する問題です。

1.は、適切。損益分岐点比率は、損益分岐点売上高(売上高=費用となる売上高)の実際の売上高の割合をみて収益性の高さを判定するもので、この比率が低いほど収益性が高いことを示します。

2.は、不適切。自己資本比率(株主資本比率)は、総資産に対する自己資本(株主資本)の割合のことで、自己資本比率が高い方が負債の割合が低く、財務の健全性が高いと判断されます。

3.は、不適切。固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+自己資本)×100(%)で、固定資産に投資した資金が長期資金でどれだけまかなわれているかを示しているため、100%を超えていると、短期資金の一部を固定資産の購入に回していることになり、資金繰りが良くないことを示します。
問題文の、「自己資本に対する固定資産の割合」は固定比率のことで、設備投資等の固定資産への投資が、自己資本でどの程度賄われているかを判断する指標です。
計算式:固定比率(%)=固定資産÷自己資本×100
固定比率が低い方が、借金をあまりしないで投資できているということですので、望ましい状態といえます(固定比率100%を超えると他人資本に依存)。

4.は、不適切。ROE(自己資本利益率)とは、自己資本を使ってどれだけ利益を上げたかを示しますので、ROEが高いほど収益性が高く、経営の効率性が高いため、株主への利益還元も期待できます。
ROE(%)=当期純利益/自己資本×100

よって正解は、1.

問9             問11

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