問2 2021年9月学科
問2 問題文択一問題
ファイナンシャル・プランナーがライフプランニングに当たって作成する各種の表の一般的な作成方法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.個人の資産や負債の状況を表すバランスシートの作成において、株式等の金融資産や不動産の価額は、作成時点の時価ではなく、取得時点の価額で計上する。
2.ライフイベントごとの予算額は現在価値で見積もり、キャッシュフロー表の作成においてはその価額を将来価値で計上する。
3.キャッシュフロー表の作成において、住宅ローンの返済額は、金融機関から交付された毎月の返済額が記載された返済予定表に基づき計上する。
4.キャッシュフロー表の作成において、可処分所得は、「実収入−非消費支出(直接税、社会保険料など)」の算式で計算された金額を計上する。
問2 解答・解説
ライフプランニングの手法・プロセスに関する問題です。
1.は、不適切。個人のバランスシートを作成する場合、株式等の金融資産や自宅不動産は、取得価額ではなく、作成時の時価で計上し、預貯金や負債は作成時の残高を計上する必要があります。
取得価額で計上してしまうと、購入時よりも価格が下落していることが多い自宅不動産等の現在の価値が反映されず、正しい家計の資産状況を把握できなくなってしまいます。
2.は、適切。結婚・出産や教育資金といったライフイベントごとの予算額は現在価値で見積もり、キャッシュフロー表の作成時には将来価値で計上します。
つまり、まずは今後想定される様々なライフイベントについて、今現在そのイベントが発生した場合に必要となる金額を算出し、キャッシュフロー表では物価の上昇率も加味した将来の金額を計上するわけです(もし毎年1%インフレになるなら、今教育資金として200万円は必要だなーと見積もっても、10年後には200万円では少々足りなくなってしまうわけですね)。
3.は、適切。キャッシュフロー表は現金の収支を表すものですが、住宅ローンの毎年の返済額は、返済方法(元利均等・元金均等)と金利の種別(変動・固定)により計算方法が異なるため、金融機関から交付される返済方法・期間や金利の種別等に応じた返済額の試算表に基づいて、計上します。
4.は、適切。ライフプランニングにおける可処分所得とは、いわゆる手取り年収のことで、年収(実収入)から社会保険料・所得税・住民税等の非消費支出を控除したものです。
可処分所得=年収−(社会保険料+所得税+住民税)
よって正解は、1.
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