問46 2021年5月学科
問46 問題文択一問題
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.区分所有建物のうち、構造上の独立性と利用上の独立性を備えた部分は、区分所有権の目的となる専有部分の対象となり、規約により共用部分とすることはできない。
2.規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要となる。
3.区分所有者は、敷地利用権が数人で有する所有権である場合、原則として、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することはできない。
4.区分所有者以外の専有部分の占有者は、建物またはその敷地もしくは附属施設の使用方法について、区分所有者が規約または集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
問46 解答・解説
区分所有法に関する問題です。
1.は、不適切。区分所有法では、建物の専有部分とは、構造上の独立性と利用上の独立性を備えた部分としていますが、規約によって共用部分とする(規約共有部分)ことができます(管理事務室や集会室など)。
ただし、規約共有部分は登記しないと、共有部分であることを第三者に対抗できません。
2.は、適切。規約の設定・変更・廃止は、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要となります。
3.は、適切。区分所有者は原則として、専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分できません(ただし、規約で分離処分可能とする等の別段の定めをすると、分離処分が可能です。)。
マンションの部屋は売らずに、敷地の利用権だけを売るというようなことは出来ないわけです(手続きを踏んで規約に定めれば可能)。
なお、敷地利用権とは、マンションの区分所有者が、その建物の敷地を占有できる権利のことです。
分譲マンションのような区分所有の建物の場合、区分所有者全員で土地の所有権を共有しており、この共有持分を敷地利用権といいます。
4.は、適切。分譲マンションの一室を賃貸で入居している人でも、建物や敷地・付属施設の使用方法については、区分所有者同様、規約や集会の決議に基づいた義務を負います。「俺のマンションじゃねーから、ごみ出しルールなんて知らん!」なんて言えないのです。
ただし、区分所有者と同一の義務となるのは、建物や敷地・付属施設の使用方法のみですので、共用部分の管理義務等については義務を負いません。
よって正解は、1.
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