問10 2021年1月学科

問10 問題文と解答・解説

問10 問題文択一問題

下記<資料>に基づき算出される中小企業のA社の財務分析に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、変動費は売上原価に等しく、固定費は販売費及び一般管理費に等しいものとする。また、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。

<資料>A社の損益計算書 (単位:百万円)


1.A社の売上高営業利益率は、25%である。

2.A社の売上高経常利益率は、30%である。

3.A社の限界利益率は、50%である。

4.A社の損益分岐点売上高は、300百万円である。

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問10 解答・解説

企業の決算書に関する問題です。

1.は、適切。売上高営業利益率は、売上高に対する本業の利益の割合を示す指標で、
売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100 です。
営業利益は、会社の本業の利益を表すものですから、営業利益=売上高−売上原価−販売費・一般管理費となります。
A社の営業利益:400−200−100=100
A社の売上高営業利益率:100÷400×100=25%

2.は、適切。売上高経常利益率は、売上高に対する本業と副業を合わせた利益の割合を示す指標で、
売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100 です。
会社の本業の利益である営業利益に対して、経常利益は、営業利益に通常の営業活動以外の収入と費用を反映した利益のことで、経常利益=営業利益+営業外収益−営業外費用となります。
A社の経常利益:100+30−10=120
A社の売上高経常利益率:120÷400×100=30%

3.は、適切。「限界利益」とは、売上高から変動費を差し引いた利益のことで、売上増加時に最大限獲得できる利益を意味しています。
さらに、売上増加時に、利益増加に結び付く割合を示したものが、「限界利益率」で、以下の数式で算出できます。
限界利益率=限界利益÷売上高=(売上高−変動費)÷売上高=1−変動費率
ここで、「変動費は売上原価に等しく」とあるため、
A社の限界利益=売上高−売上原価=売上総利益 となります。
(売上総利益(粗利)は、売上高から売上原価を差し引いたもの)
よって、A社の限界利益率=売上総利益200 ÷売上高400×100
            =50%

4.は、不適切。損益分岐点売上高とは、売上高−(変動費+固定費)=0円 のときの売上高で、計算式は、損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率です。
また、限界利益とは売上高から変動費を差し引いた利益のことで、売上増加時に利益増加に結び付く割合を示したものが限界利益率です。
限界利益率=限界利益÷売上高=(売上高−変動費)÷売上高
ここで、「変動費は売上原価に等しく、固定費は販売費及び一般管理費に等しい」とあるため、
A社の限界利益=売上高−売上原価=売上総利益200÷売上高400×100=50%
A社の損益分岐点売上高=固定費100÷50%=200
よって、A社の損益分岐点売上高は、200百万円です。

よって正解は、4.

問9             問11

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