問54 2020年9月学科
問54 問題文択一問題
民法上の遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.遺言は、未成年者であっても、満15歳以上の者で、かつ、遺言をする時にその能力があれば、法定代理人の同意を得ることなく単独ですることができる。
2.遺言者が自筆証書遺言を作成し、財産目録を添付する場合、所定の要件を満たせば、その目録は自書することを要しない。
3.公正証書遺言を作成した遺言者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することはできない。
4.公正証書遺言を作成する場合において、遺言者の配偶者は証人として立ち会うことはできない。
問54 解答・解説
遺言に関する問題です。
1.は、適切。遺言は、15歳以上で通常の判断能力があれば、可能です。
2.は、適切。自筆証書遺言とは、遺言者が遺言の全文、日付および氏名を自書して印を押すものですが、2019年1月より、自筆証書遺言の財産目録についてはパソコン作成や代筆、通帳のコピー添付も可能(遺言本文は手書き)となっています。
また、2020年7月からは、法務局に保管した自筆証書遺言は、公正証書遺言と同様に検認不要となっています。
3.は、不適切。遺言の撤回は、遺言書の形式に関わらず可能なため、新しい遺言書が有効となります。
また、前の遺言が後の遺言と抵触する場合、抵触部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。
つまり、遺言者は、遺言の一部だけを撤回できます。後から気が変わって「やっぱりあいつには相続させたくない!」と思えばその部分だけ撤回できるわけです。
4.は、適切。公正証書遺言は、作成時に2名以上の証人の立会いが必要ですが、推定相続人や受遺者等は証人になれません(受遺者:遺言で財産を受け取る予定の人)。
つまり、遺言の内容に対して利害がある人(配偶者や親族等)は証人になれないわけです。
本問の場合、遺言者の配偶者は受遺者ですので、証人になれません。
よって正解は、3.
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